ひとりぼっちのピーターパン

「その赤い瞳がとても綺麗。穢れが無くて、真っすぐで綺麗な瞳なんだ」
私はそう言いながら、手を握る。いつか、この日も終わりが来るのだろうか。そうなってしまえば、この日々が崩れてしまうようで怖くなって、泣きたくなるような気持になってしまう。けれど、この日々に終わりが告げれば、彼はまた一人になってしまうのだろうか。自分が居なくなってしまえば、どうなってしまうのだろうか。
「ドクター、何故そんな話を振る。まるで自分が何時かは消えてしまうと言わんばかりの口ぶりだ」
「…ターン、お前は――いつも、彼等と居て、嬉しいか?幸せか?」
寄せ集めの家族だとしても、彼の気持ちが聞きたかった。そうしたら、自分の気持ちにけりをつけられる。けれども、彼は自分の言葉を見透かしているようで、また、答える。
「…どうして、その言葉を言う。私が幸せで、貴方が不幸か?」
さっさと自分を殺してしまえばいいのに。そうしたら、お前も彼等も、この事を忘れ去って幸せになれるのかもしれない。自分の犠牲は、平和の礎だと思った方が良い。私は、彼等やターンを憎めばいい。それが、この悲劇の成り行きになれたのなら。
「そうした方が、お前が幸せになれるのなら、私はお前を恨むよ。そして、お前は私を忘れれば――私は、楽になれるのかもしれないだろうな」
死んだ私を踏みにじって、お前は生きている。死んだ私がお前を恨めば、きっとその方が、幸せなのだろう。愛も、悲劇も、全て忘れる方が良い。誰かから恨まれれば、それで十分なんだろうに。
「ドクター、私は――――――――――――…………………」


「お前はとても醜いなんて、誰かが言った?」
誰かの声がする。けれど、とても辛い声だった。
「最低な男だと、誰かが言うけど。私はそうじゃないんだ。醜いも、美しいも、言い訳なんだ。けれど、誰も救ってなんてくれなかったし、きっと自分は最低な男だ、心の弱い犯罪者だ、と言うけど、要らない価値なんてある訳が無いんだ。けれど、その弱さを、お前は教えてくれなかった。なのに、いつも言い訳をしている。そうだろう?だって、寄せ集めた絆なんて価値は無いって誰かが言うけど、私は違うと思う」
なのに、自分も、お前も馬鹿だ。何も教えてくれなかった。
「―――その色が、とても綺麗だった。けれど、あの時の答えを、答えて欲しかった」
その涙の色が、綺麗だった。けれど、この手を握り返す事が出来なかった。これは、自分への罰なんだ。それなのに―――。
「                        」
それでも、自分にとって、この色はとても、忘れたくない色をしていた。




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