「誰のものでもいい」

あの時、あの日。


「ウェディングドレス?」
ターンは、そんなファルマの言葉を聞いてウェディングドレスについて頭を巡らせたら――一つだけ思い出した事があった。ウェディングドレス、それは確かCEになる時に着用する服だ。ファルマはそのウェディングドレスとやらに、思いを語っていた。自分もいつか、ウェディングドレスを着る事があるだろう。もしも、自分にCEが出来たとしたら、そのウェディングドレスを着るのかもしれない。そのドレスを何時か、着てみたい。そして、立派になった自分の姿を、ラチェットに見て貰いたいと思っている。
「その姿を、一度はラチェットに見て貰いたい――と思っているけ、ど」
それはもう、出来なくなってしまったんだな。と悲しげに笑う。ターンに対して、ファルマは悲しげに笑う。ふい、カルテを床に落として、彼女はそれを拾った。とても辛い表情をしている。そんな風に笑う姿を見たら、自分も不意に悲しくなってしまう事がある。

「けれど、貴方は、私にとって必要な人だ」

「そうか?」とファルマはソファに座る。もしも、これから自分の行う行為を、彼女は突き放すのだろうか。ネクタイを外し、ボタンを取る。露わ出たお俊哉かな胸に、マーキングをつける。
「……っ…」
何かを求めるような仕草で、ファルマは自分の頭を掴む。がっつくな。と小声で言い、胸の飾りを舌で舐め、カプリと噛み付く。
「ぁっ…!」
複数、身体の部分にマーキングを記した、その分だけファルマは硬直をした。涙をポロポロ流し、舌から唾液を垂らす。ファルマはふふっ、と情の最中に微笑みを漏らした。
「ドクター、何が可笑しい」と言葉を交わすと、ファルマは

「――お前、まるで子供みたいにがっつくな」と返す。

まるで母親に甘える子のようだな。とファルマは微笑み、自分は彼女を獣の如く、激しい体の交わりをし、捕食をした。

「師は、そうやってお前の頭を撫でてくれたのか」
「今は居ない――撫でてくれや、しなくなった」
ベッドで寝転がり、ターンはファルマにそう言った。ファルマは「そうなんだな」と言葉を返した。
「お前と、こうしながら、こんな日々が続けばいいのに。けれど、私自身と心が、許してくれないんだ」
ファルマは掌をシーツで握る。けれど、「それでも、お前を許せないのに――何処かで、悲しい人だと、思っているんだ」
彼女はシーツをそっと脱ぎ捨て、自分に駆け寄る。
「…なぁ、ターン。お前は――――……」


結局、何が欲しかったんだ?




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