「初めからわかってたんだよ」

ずっと、分かっていたのだ。貴方は、平和の為の礎だと。そうした平和の為の未来の為の明日の為の道具でしかないと。貴方が羨ましかった。幸せそうな未来を生きる貴方を壊したかった。そうやって、壊さないといけないのだ。それでも、貴方の未来を奪わなければ、きっとこの世界は壊れてしまうから。と言い訳をしてまで、寄せ集めの絆を壊させてしまったのだから。それでも、貴方と一緒に生きる未来が欲しかった?共に行く道を断ち切ってしまった?それとも――未来の自分を、殺してしまったのか?

違う、そうじゃない。欲しかったのは、平和と、家族と――守るべき小さな命と。ああ、言い訳をしても、きっと敬愛なる破壊大帝は自分を許しはしないだろう!と、まるでパニック障害を起こした役者のように、ターンは崩れ落ちた。メガトロンがオートボットに行ったきり、体調は思わしくない。ケイオンが心配してくれているのだが、どうにもこうにも良くはならない。ケイオンは自分の事に颯爽と気づき、

「あの医者の事、さっさと忘れてくれればいいのに」

と冷たく言い放つも、自分を心配して呉れている事に気付いた。さっさと忘れてしまえばいい。そうすれば、きっと明日も眠れるのかもしれない。


夢を見ていた。
「ターンは、明日何をするつもりだ?」
パンや食料を入れた買い物袋を持ったファルマは、歩いていた。私は「ああ、そうだ」とファルマにそそくさ仕事。と答えながらも、帰り道を急いだ。
「そっちはどうなんだ?相も変わらず家族部隊と聞いているが」
「へレックスが大暴れしてニッケルが彼を叱っている。全く、困ったものだ…」
「…そちらも、大変なんだな。こっちも丁度アンブロンが胃痛で倒れたと」
「…貴方に言われたくないのだが」
ふふっとファルマはほくそ笑み、私は自分を呼ぶ声に気付き、顔を上げる。
「なぁ、ターン――――――…」

――首から上が、無くなっていた。
「お前が殺した、うつくしい死体はお前の感情をどう感じているんだ?」


「…っ!」
悪夢から起き上がり、ぜぇ、ぜぇと息を切らした。嫌な悪夢だ。それが、こんな形で出るなんて。いや、自分は正しい。正しいからこそ、この地に居るんだ。メガトロンを殺す。それが、自分の決意だ。
「そうだ…そうに決まっている」
けれども、すぐさま言い訳だと気付いた。この悪夢の内容を、誰かに話せる訳がない。きっと話せば、自分自身が崩れてしまうようで。
「……ファルマ………」
この悪夢を、今は居ない彼女は、どう思っているのだろうか。せめて、自分が憎い。そう言って欲しい。そうしたら、楽になれるのに。




話題のイラストメタバース
バチャスペ
- ナノ -