いつか見た光は本物でした

再び、戦場にて。

「――なぁ、ファ。一つ聞いて良いか?」
「ファ、レイお兄ちゃんやソフィーヤお姉ちゃんがミシェイルお兄ちゃんと何か話していたのを知ってる!ロイお兄ちゃんから聞いたもん!」
「お前は良い子だな。だけどな――今は戦場だ。気をしっかり引き締めないと、あっと言う間に死ぬから――」

ふいに、ファとレイが空を見ると――空に舞う竜騎士の王が、赤い竜騎士を引き連れ、戦場に駆ける。地上で其れを追い掛ける漆黒の軍馬に跨る騎士が、其れを追い掛けていた。

夢見た信念の先に、光があると信じて戦った二人の敵将。確かにゼフィールやナーシェンは憎い。けど、今は本当に闇を覆い尽くすエンブラ帝国と戦わなければならない。そうでもしないと――この戦いに終止符は打たれない。
「…ファ、知ってる。ミシェイルお兄ちゃんも、カミュおじちゃんも良い人なの。だから、ファ、皆を守る為に、戦う!」
ファは竜石を手に、竜へと変身した。レイは魔導書を握り締めて――戦場を見渡した。
「…此れで良いんだろ、院長先生…母さん、父さん」
何の為に戦った――それは、自分に希望を託す為なのだろう。レイは、ソフィーヤを見つめていた。
「……レイ、…どうしたの?」
「…ソフィーヤ、俺……いや、何でも無い。行こう…この戦いを止めるんだ」
「うん…」レイはソフィーヤの手を掴み、戦場へと駆け出した。

夢見た信念を掴めなかった彼等は、何の為に戦ったのだろうか。けれど、掴めなかったとしても、満足だったのだろう。
守るべき者が居た。誇りがあったからこそ戦えた。夢見た信念があったからこそ、光を見る事が出来たのだろう。

だが、今は――戦場には、鎮魂歌は聞こえなかった。其処に在るのは、夢見た信念の為に戦った者達の姿だけ。




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