ウルトラマグナスが機能主義世界に一人残ったメガトロンの事を考えた。自分で、スタースクリームもサウンドウェーブも居ないあの世界で、どう戦えと言うのだろうか。ただ、ローラーはメガトロンを信頼し、メガトロンもロディマスに後を託した。
――彼なら、メガトロンを一番信頼しているのかもしれない。
オプティマス・プライム――元々は、オライオン・パックスと共に戦った仲間だ。オプティマスがメガトロンを理解しているのであれば、ローラーも少なからずメガトロンを信頼しているのだろう。私とラチェットとローラーに後の事を託したメガトロンは、今頃何をしているのだろうか。無事を祈るしかなかった。それを見かけたロディマスが、ウルトラマグナスに寄りかかる。
「…なあ、マグナス。話があるんだ」
「話、とは?」
「……俺、やっぱりリーダーに向いていないのかな」
ロディマスが、メガトロンが居なくなった途端にほんの少し、不安が零れた気がした。
「…俺、元々リーダーの気質に向いていないってアトマイザーやゲッタウェイからそう言われていたけど、ゲッタウェイの気持ちも少し…分かるかもしれないんだ。でも、仲間を危険に晒す行為なんて絶対にしちゃ駄目なんだ。だから、俺達はサイバーユートピアを目指さなきゃならない…けど、今の現状、仲間が皆不安に駆られているんだ。だから俺が元気を出して、皆の背中を押さなきゃいけないんだ」
メガトロンが居たからこそ、ロディマスは船長で居られたのだろう。だが、メガトロンが居ない現状、スキッズの死やゲッタウェイの裏切りで精神が限界に近付いている仲間達を鼓舞する為に、ロディマスは無理をしながらも元気に振る舞っている。
「…ロディマス、あまり無理はするな」
「えっ?……えっ」
ロディマスがウルトラマグナスに抱き抱えられるような形で、椅子に座らせた。
「君が一番無理をしている。そんな事をしても皆、不安になるだけだ……だから、不安や気持ちを、私にぶつけてくれ」
…だから今は、メガトロンが居ない今、自分がロディマスを支えるべきだ。ウルトラマグナスはそう思い、メガトロンの無事を祈った。