追憶〜カルドゥスの幸福

「なあ、俺思うんだけどさ」
アノードは突然のラグの発言を耳にし、アノードは「どうしたの?」と後ろに居るラグを見た。
「ローラーさんってさ――あの有名なオプティマス・プライムの友人で相棒だったんだろ?どうして彼の話をしたがらないんだろうって」
ラグがローラーの肩に乗せて貰って、やんちゃに遊んでいる様子が見られるのだが。でもラグが復活して何事も無かったら良いんだけど。とアノードは思う。もうあの辛い出来事は二度と御免だ。
「…多分、思うんだけど。あまり話したがらないのって嫌な事でもあったんじゃないのかな」
「どうしてそう思うの?」
「…前、遺体安置室があるエリアに行ったんだけどさ。ローラーさんがラング先生と何らかの話をしていたんだよ。スキッズ…?だったかな。その人の話をしてたんだ。ラング先生、とっても辛そうだった」
スキッズについては、多分恐らくきっと…ローラーの知り合いだと思うが、アノードは、多分違うのだろう。と否定した。
「ラグ――それは違うと思う」
「え?何でだよ」
「多分、オプティマスの事を話したがらないのって…辛いんじゃないのかな。ほら、私だってラグが死んだ事実を受け入れられないから、必死で誤魔化した事があったじゃない」
多分、ローラーも重い事実を受け入れる事がまだ出来ないんじゃないのかな。とアノードは答える。アノードの答えに、ラグは自分の身を考えると――ローラーも重い事実を背負っている、だから…と考えたが、アノードを見つめた。
「…ねえラグ」
「?どうしたんだ」
「私もローラーに肩車されたいな」
「はい?????????」
アノードがアノードのままで、本当に良かったと思う――それを内心嬉しく思ったラグであった。

「…………すまん」
メガトロンとあの機能主義者の世界の一件の後、ラチェットは再び、ローラーに詫びた。
「お前が、謝る事は無いんだ」
「お前さんを再び…事件に巻き込んでしまったのは、申し訳無いと思う」
「だから、お前が謝るべきではないんだ――悪いのは、何ものうのうと事実を受け止めきれないでいる、俺だ」
トレイルカッターやスキッズの事は、本当に悪かった。
「…そしてファルマも、巻き込んでしまったんだ。だから――」
メガトロンは今頃、何をしているのだろうか――恐らくは、スタースクリームもサウンドウェーブも居ない。あの世界でうまくやっていけるだろうか。度重なる不安と、ラチェットのファーストエイドやホットスポット達の心配もある。自分が、今度はやるしかない。




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