金星ウィークエンド

「お待たせしましたー♪」
ウェイトレスが持ってきたのは、フランス生まれの洋菓子ウィークエンド。「週末を一緒に過ごす大切な人と食べるお菓子」の意味らしい。
(…そんなお菓子に意味などあるのか、これは?)
母親が父――ナイトに殺されてから、血の滲む様にナイトを倒す為の訓練や、ホラーを倒すための戦闘スタイルを学んでいたが、これを見ると母の死を思い出すのは何故なのだろうか。あまり良い意味ではない。
「あら、どうやらお悩み顔をしているようね」
「ジーナ」とルークがテーブルの席から見上げると、魔戒法師の一人であるジーナがこっちを見ていた。
「そのウィークエンド、特製のレモンを使っているから美味しいのよね…バターケーキに、レモンを使うと抜群に相性が良いのよ」
「で、貴様は何の用だ?」
「そんな怖い顔をしなくても良いじゃない…と言いたい処なんだけど、生憎貴方の探している暗黒騎士の情報…裏ルートを通ってみたけど、其れらしい情報は無かったわ」
「…そうか」とルークはジーナの返事に対してそう答えた。
「でも、エルドラドに関しての手掛かりはもう少しかかりそうね。後――それに、そのケーキ、おいしかったわ」
「………?」

ルークがテーブルを見ると、其処には空になった皿が置いてあった。

「………!!」
驚いた表情をしているが、ジーナは「ごめんなさいね、この子…とっても美味しそうにこのケーキを見つめてたから」とミアを撫でていた。何という事態。と言うか何時の間にこのケーキを食べているなんて驚いたししかもすっからかんに完食しているし。
「…貴方、真面目すぎるわよ?そのうち、息抜きも必要になると思うわよ…じゃあね」
ジーナは席を立ち、店の外に出て行った。

「…と言う事があったのだが」
「あいつ本当にいけ好かない奴だなあ…前に無言で車で吹っ飛ばされたことがあるけどな」
お前は見知らぬ女性に胸を拝んだから因果応報だろう。と心の中でソードに対して突っ込みを入れたかったが、それはそれで。
「あー、後ジーナが貴方にあげるって言ってこれを渡してきたぞ」
紙袋を渡された…中に何が入っているのだろうか。と紙袋から何かを出してみると。

『あの時はおいしいデザートを有難う。これはお返しよ』

と置手紙と共に手作りのウィークエンドと――新しい銃弾セットが入っていた。
まったく困った女だ。とルークは心の中で思いながらウィークエンドを食べるためにフォークとナイフを用意した。
<< PREVINDEX PAGENEXT >



×
「#甘々」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -