卑怯者達の鎮魂歌

クロマはセンチネル・プライムの部下であるが、その子飼いであるプロテウスとは繋がりが深い故に色々扱き使われている事が多い。まあどいつもこいつも逆らえばシャドウプレイされて人格破綻するかガーラス送りにされるから色々文句言えないだろう。と思っている。ホワールとは繋がりが深いが、シャドウプレイの犠牲になったとか何とか。あーもう暇だから誰か俺と話をしてくれる人はいないかなープロテウス割りとしつこいんだよなーと思った矢先に――都合の良い事にクロマの暇潰しの犠牲者が現れた。

「で、私のラボに態々来たって訳か。面倒臭い男だ」
インティステュートの技術者の一人であるトレパンのラボで、クロマは「よっ」と手を合わせた。トレパンは「何故此奴と態々話をしなければならないのだ。帰って貰おう」と舌打ちをしながらメスを磨いている最中だった。まあシャドウプレイとは深い関わりがあるプロテウスとセンチネルの内通者なのでどっこいどっこいだろーと内心思っていたら、トレパンはカップをテーブルに置いた。クロマは「で、な」とトレパンに話を進める。
「俺はアンタが内心俺達と一緒に悪い事をして、内通者で共犯者って言う事に感謝してるよ」
「で?その心意気は?」
「どれも堅物が多すぎて、話にならないじゃんか」
だってホワールも居ないだろ?こうやって気軽に話せるの、アンタしか居ないからな!とクロマの発言に、トレパンは溜め息を付き乍ら指でテーブルをトントンと不機嫌そうに叩いた。
「成る程、私がお前の暇潰しの犠牲者って訳か。少し私も堪忍袋の緒が切れそうだった――が、見逃してやろう」
お前に手を出すと、後が面倒臭いからな。とトレパンは吐き捨てながらカップにエネルゴン水を注いだ。するとクロマは、ある事を言った。
「そう言えばさ、アンタって――」
「……何だ?さっさと言え」
「CEの相手を考えた事が無いのか?」
トレパンは早大に飲み物を吹き出し、ゲホゲホと噎せて倒れ伏した。あれ?俺何も悪い事は言っていないのにな?とクロマは困惑をしたのだが――トレパンは流石に其れを聞いて怒り心頭に怒鳴った。
「そう言う事を言う暇があるならさっさとプロテウスの処に行け!」

「…割かし真面目な事を言ったんだけどな」
あれでもセンチネルとプロテウスの内通者なんだが、どうやらあの医者は早大に性格が悪い。まあ、裏切られるか、それとも――捨てられるか。
クロマはそんなスリルが大好きであるが、一つ疑問に思ったのが。
「…CEって、あの医者の弟子の事を指図しようかと思ったんだけどな」
言葉は考えるべきか。とクロマは背伸びして、さっさとプロテウスにどやされる前に議会に戻ろう。と考えていた。



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