レミングミング

クロームドームは元々タンブラーと言われていたらしい。余程色々あったのか、パートナーのリワインドと一緒にいつも居るが、彼とは別れや辛い事がただあっても、今現在は彼と共に居る。が、どうしても、それを見てるノーティカには分からない事があった。ネモサージャリー技術――元々は、禁忌とされているその記憶のイレースや転換、下手をすれば人を殺せる力すらあり得る技術を、彼が何故其れを持っているのか分からなかった。共に居るメガトロンも、クロームドームを見て時折複雑な表情を見せる。そのネモサージャリー技術の基礎を理解している記憶外科医トレパンの下で働いていたのは理解出来た。だが、今現在リワインドと一緒に居るクロームドームが、彼が居ない時折に、マイクロプローブの指を見る事がある。
「どうしたの?何かついてるの?」
「いや、ちょっと考え事を」
ノーティカがクロームドームに「顔色悪いわよ?」と尋ねた処、クロームドームが天井を見上げた。
「…過去の事は、気にしない方が良いわよ。その…後ろめたい技術や組織に居た事は、リワインドも、メガトロンも…ロディマスも、分かってくれるじゃないの」
「いや、違うんだ…!違う。…済まない」
「どうしてそうなの?ちょっと、何か幽霊でも取り憑いてるような表情をしているじゃない」
「…マイクロプローブを見ると、嫌な事を思い出すんだ?」「嫌な事?」「いや、この嫌な技術を見ると――後ろから、死神が手招きをしているみたいで…」
ノーティカは、彼の言っている事が分からなかった。死神が手招き?なんの冗談を?
「嘗ての上司だったトレパンの事だよ」「…メガトロンの洗脳を考えていた。とメガトロン本人から聞いたわ。彼は針治療がその事が原因でトラウマになったらしいけど…」
確か、彼はメガトロンに殺された筈だ。では、クロームドームは何故上司の事を切り盛りしたのか?まるで、幽霊が見えているような表情だ――ノーティカは、これ以上言及をしたらまるで自分も呪われてしまうようで――いや、有り得ないだろう。そんな筈は無いと思いたい。ラチェットが「非科学的だ」と言っていたから――。
「まるで、彼の姿をした死神が、自分の後ろで囁いているようで――その力は、愉悦で、楽しいだろう?って――俺、おかしいか?」
可笑しくは無い――その力を、正しい道へと使っている筈だ。クロームドームはクロームドームだ。
「…大丈夫よ、貴方は貴方よ。だから、お願い…元気出して頂戴」
「ああ、有難う…ノーティカ。君の言葉に、少し救われた気がしたよ」
ノーティカが「さっ、行きましょう。ロディマスが待ってるわ」と彼を立ち上がらせる時に、クロームドームがまた冷や汗をかいた。

――結局、自分は自分と言っても、あの化け物たちと一緒なのでは。

サンダーや、オーバーロードの事を考えると――自分も、いつかはああなるのかもしれない。だが、クロームドームは頑なに否定し、ロディマスの元へと歩いて行った。



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