(廃棄されたケイオンの地下劇場。其処に現れる紫の髪をした、サーカス団の踊り子の服装をした有機生命体の少女。お辞儀をし、高らかに物語を語るような口調をして語りだす)

「さて、此処で一つ話をするとしよう。かつてこのセイバートロン星は、プライムと言う存在がこの星を担っていたと何処かの御伽噺はそう語る。だが、実際には違うのだよ。プライムと言う偶像を掲げ、この星を牛耳っていた評議会と言う哀れな、偉大なるメガトロン様に捧げられる生贄共の花園と化していた。生まれながらにして運命が決定付けられる。そんな理不尽、変えるべきである醜悪たる掟の中、我々は虐げられながら生きていた――だが、そんな中立ち上がったのは、後に我々にとって偉大なる神であり、救世主と言われる一人の剣闘士でありながら――奴隷階級であったある男。

彼は元々は鉱夫でありながら、親愛なる友を奪った憎き虐げる者を殺した罪に問われ、相手を殺すか、殺されて死ぬか、その選択肢しか選べる事の出来ない剣闘士の世界に放り込まれたのだ。親愛なるメガトロン様は、剣闘士の世界に身を置きながら――仲間を殺す事の重圧に苦しんでおられたのだ。観客は彼等を都合のいい玩具や生き人形としか見ていなかった。嘆かわしい事だ。
だが、彼は立ち上がった。虐げられてきた連中から、仲間を救う為に、この世界を変える為に。我々ディセプティコンにとってメガトロン様は救世主であり、神なのだよ。
そう、メガトロン様に対し、無力なセンチネル・プライムは平和を称えてきた――だが、虚無の玉座を座る彼に、友や同胞の屍を積み上げて出来上がった玉座に座る彼の聖なる王に、敵うはずがなかったのだよ。

そう、この腐敗した世界を変えたかの王は、泥から生まれたのだ。
――オートボットが踏み荒らした我々同胞の屍の、泥から」

(有機生命体の少女がお辞儀をすると、幕が上がり――二体のオートボット警備員の惨殺遺体を壁に祀り上げた、ディセプティコンのイングシニアの仮面を被ったTransformerが現れる。指を鳴らす。監視カメラ、ノイズを起こしながら画面にノイズが走る)

――NO DATA
ある警備カメラのメモリーストレージより抜粋。



×
「#甘々」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -