BLACK ONE

ワールドマーシャル社を本社に持つデスペラード・エンフォースメント社。
彼等は破滅を呼ぶ風と恐れられている存在に付き従っている。
カリフォルニアの熱風『サンダウナー』、地中海に振り下ろす北風『ミストラル』、インド洋に吹く季節風『モンスーン』。
彼等に付き従うサイボーグ達は、兵士であるだけではなく――彼等の玩具にされていた。

一人のサイボーグが上官であるミストラルに呼び出され、寝室に来なさいと命令された。彼女は敬愛するあの人を慕っているが――自分達には容赦無く命令をこなす存在である。仔月光を異常的に従わせるので噂ではペディオフェリア(人形愛好)であるのではないのかと言われているが真実は定かではない。
彼は寝室に来た。
其処に居たのはミストラル本人であるが――普段とは違う体である。
普段ならば特殊的なボディをしているのであるが、人間に近い体をしている。唯分かっているのは、白いシャツに黒いスカートを着ているのだから。
「よく来たわね」
彼女はそう言い、ベッドにふしだらな姿で座っていた。
猫背の様に寝そべり、スカートから見える黒い下着――ゴシックである事が分かる。すると彼女は彼に語りかける。
「貴方への用件は私の退屈凌ぎよ」
えっと彼は言うが、彼女は其れだけではないわ。と語った。

「私は所謂性への興味を持ったのは初めてでは無いわ――まぁ、遠い昔の話だけど」
彼女はそう言い、ベッドで淫らな姿となっていた。
シャツのボタンからは豊富な胸が露出し、はち切れんばかりの下着が今でもはち切れそうになっている。
そしてスカートからは下着が見え、犯したいと言う性欲が今でも崩壊しそうだ。
「…分かるわよ、貴方が私を淫らにしたいと言う気持ちが。だから私の命令に従いなさい」
彼女はそう言い、サイボーグに命令をした。

「先ず脚を撫でて頂戴」
スカートを捲り、普段の義体に刻まれている筈のデスペラード社のマークがある辺りを優しく撫でた。
彼女の命令であるが、下半身が熱くなる気がするも――ミストラルは不適に笑うだけだ。すると彼女はシャツを脱いで胸を曝け出した。
「揉みなさい」
先ず片方を揉んでみると「あっ」と声がした。柔らかい感触がし、彼女に発情しそうだと思いそうであるが。
するともう片方を揉んでしまった。
「貴方って変態ね」
今でも罵られる事に快楽を覚えてしまい、まるで玩具になったようだと思う。すると彼女はブラジャーのホックを外す。
豊富な胸が現れ、揺れる。すると彼女は実を引っ張った。
「性愛であるが故に有るけど――知っている?アイアンメイデンを作ったのはエリザベートと言われている女性殺人鬼なのよ」
彼女が血を求める様に、また彼女も血を求めていた。
血の色をしている赤を刻んでいる様に。
彼女はそう言いながらも、下着を外した。
地毛ではないが故に、クリストスからは精液が零れ出ていた。誰かと交わった証拠だろうか。
「…下半身が気になる?あの人と交わっていると言っているでしょう――答えは教えてあげないわ」
舐めなさいと言われ、舌で舐めた。
「っは…」
苦い顔をしているものの、気持ち良い所を快く舐める。すると彼女は悲鳴をあげて潮を噴出した。
手が液に塗れたころ、彼女はある命令をした。
「出しなさい」
彼は止むを得なく、出した。ギチギチとグロテスクに出している雄を彼女は足で掴んだ。
「どう、気持ち良いでしょう?」
快楽が抗えない。しかし気持ち良い。すると指で抉った。
抉り取られる快楽で出る感触が抑えきれない――すると精液が溢れかえった。

「最悪…」
ミストラルはそう言い、べとべとになった足をティッシュで拭き取っていた。唯の性行為を及んだのは楽しかったが、ミストラルは彼に話しかける。
「そう言えば貴方――」

はい、なんですかと語ると――。

首が、急激に刎ねられた。

「貴方、邪魔なのよ」
ミストラルはそう言い、笑顔で語りかける。残念だったわね。と物言わぬ屍に語る。
「所詮、兵士など玩具に過ぎないわよ」

玩具を失った玩具は、何処へ行くのだろうか。

玩具の人形である彼女は、人間ではなく、化物であれ――心は無かった。



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