これは壊れた人形みたいに、歪な形をしている。

「ふぅ…んぁ…はぁ…」
口にどっぷりと白濁とした液を吐き出された時に、それは恍惚した表情を浮かべずに――ただ受け入れていた。元々は死者であろうとも、名門の影の一族として生み出された歪な形をした人形。ぽたぽたと落ちる液を見て、舌で舐めるその存在は美しき事か。歪な存在であるそれは、金色の瞳を細めて性欲を求める。歪な真珠と呼ばれ、歪んだ存在と言われていることも、可笑しくは無い。ただ、歪な存在である人喰いの狼は――口にもっと。と急かす様にと口付けか――性欲を求める。漆黒の髪は美しい。けれども、まだ歪な人形であるそれを弄ぶには十分だった。だから、歪な存在であるそれで弄ぶには十分まだ足りないのだ。
「…ひぃ、いぁぁぁ!」
首筋に甘噛みをし、血が流れるまで続ける。血が流れ、どろりとした赤い絵の具のような血が流れると、それは倒れた。首を掴み、人形の首を絞めるように首を絞める。息が出来ないだろう。と笑うように、それは声なき声を上げた。確かに、それは人形みたいに滑稽な話だ。滑稽であるからこそ美しいのだ。
「お前も十分だっただろう?」
面白く、無様で、悪夢は覚める筈が無い。一度限りの主従ごっこ。だから、それを甚振るのは面白いのだ。
「…?―――――――――あっ!」
自身がずるりと挿入られ、甲高い声を上げる。ぎちぎちと肥大化する自身に我慢が出来ないのか――声を上げる。人形であるが故に叫ぶ事すら出来ない人形は面白い。だから、人形を遊ぶ事で面白いのだ。嗚呼、面白い。
ずぷりと水音がし、それは甲高い声を上げて達した。

人形は人形らしく黙っていればこそ面白いのだ。だから、どろりとした液が中に渦巻いていようとも、彼女は人形らしく黙っている。黙っていればこそ、美しいのだ。

歪な人形だよ、お前は――いや、ウートガルザ。



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