ノット=イコールは冴えない彼の為の鎮魂歌

ゼッタイムテキは効かない。

まあアレだよ、上司が立て続けに亡くなるのはお前が疫病神じゃないさ。三日月・オーガスと言う宇宙ネズミがお前の上司を虐殺したんだよ。分かってくれるな?そうだよなー、お前もそうなのか。俺はあの火星人に痛い目遭わされたから本当にムカつくんだよな。アルミリアに合わせる顔も無い。と言うかクランク二尉が戦死したし、コーラル長官もオーリスも戦死…立て続けに不幸だよなお前は。不幸だからこそ不幸中の幸いか、お前がそんなに三日月…いや、鉄華団を恨むなんて何かの縁だよな。じゃあ言うが、お前の居場所は此処にはないと分かっているのに、何故ギャラルホルンに来た?

居場所なんてないと分かっている。だから、俺は此処に居る。
形見である勲章を握りしめ、吐き捨てる。居場所なんて何処にも無い。居場所を作る尊敬した人を殺したのならば、居場所を踏み躙った人間を殺して殺して殺すまで。
「…そういうのが、不満か?復讐をしてまで、何を望むんだ?」
「…俺は、あいつらが憎い。クランク二尉の誇りを穢したあいつらが憎いと思っているんです。それなのに、何も出来やしない俺がどうしてもつまらない存在だと思ってしまうんです」
つまらない人間だからこそ、怒りを燃やせば燃やすほどに面白くなる。ガエリオはアインと言う存在が面白くなってきた。屈辱を与えられてしまうからこそ、狂ってしまうのだろうか。
狂ってしまえば、それで十分だ。北欧神話でヘイムダルが鳴らす角笛ギャラルホルンが此処まで穢れているとは。
「じゃあ言うけど、罪のある子どもを殺す事…お前の知っている二尉だったら…どんな顔をしていると思う」
アインは一瞬俯くが…後悔などしていなかった。
「それでも…俺は、俺の行く道を行くだけです」
まあ、此処まで信念が固いとは。信念と復讐は紙一重だからこそ、ゼッタイムテキな呪文の言葉など聞かないだろうな。狂っている信念と誰かの為に戦う信念。本当に――変わらぬ正義だよな。
ガエリオはそう思い、ため息をつく。そして、アインにこう言った。

「お前は本当に馬鹿な野郎だ」





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