罪滅ぼしの夜

「はい、今日のご飯。食べなきゃ駄目だよ」「ねえ、君…何で僕達を気にかけてくれるんだい?」「だって、一緒に暮らしてるのなら皆一緒。私はこう見えても、「お姉さん」の立場で…ヒロやゴローを助けて来たから」「へえ。パパ達から見捨てられて死にかけてる僕等と違って立派だね、君」「貴方の仲間が死んでしまうのを見て、心が痛んだよ…パパ達の理不尽な命令で、死んでいった子達が居たから」「心配しているのかい?」「うん…ナオミや、消えて行った子供達が心配なの。生きているかどうかも…分からないから」「君達を見下していた僕達がこんな状態だと…笑わないのかい?」「笑わないよ。だって、同じコドモでしょ?それに…貴方、ゼロツーと同じで、子供っぽくて…あの頃の彼女の様に、何処か他人を見下していた気がするの」「へえ、可哀想とは言わないのかい?」「言わないよ…だって、生きているのならそれでいいと私は思うんだ」「どうして?」「あの時…グランクレバス強奪時に、パパ達の命令によって意のままに動いて――死んでくれと言われて、見えるべき未来が見えないまま、死んで行った26部隊の人達の事を想うと…心が痛むんだ。どうして、命令のままに死んで行くんだろう。どうして、たった一つの命を、他人の強要で散らしてしまうんだろうって」「君は――フランクスに乗るのには不向きだと、僕は思うんだ」「え?どうして」「…僕はイオタを理解出来なかった。それに、彼女を理解出来た君が――羨ましいと思うよ」


title:告別



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