さよならシリウス

あの機体の反応は、まさか。
知りたくもなかった残酷な事実がどうしようもなく俺の心をズタズタにするのは時間の問題だった。

無言のまま、肩を落とす。尊敬する上官の機体が敵側に利用されているというどうしようもなく、残酷な事実が独のように身に染み込む。声を上げたくて泣きたい気分だった。落涙出来なくても、出来ない。どうしようもないアンチノミー・シンフォニー。
形見が思い出と悲しみを加速させ、涙さえ出ない。思い出が星屑の海のように染み込む。あの時、初めて出会って、上官と誇り高き武人である彼に自分の心に影響を与えた。けれども、その人はもう既に、居ない。永遠に居なくなったと言っても過言では無いだろう。
うまく笑えない。また、人が死んでしまったのだから――永遠に分かち合う事すら出来ない。これが現実。戦いで、また人が死ぬ。
うまく笑えないと言う事実と、尊敬している人は永遠に居なくなった事実をこみあげて、静かに天井を見上げる。
(俺は、どうしようもなく無力だ)
声を上げて、泣いた。
(もう、誰も失いたくないのに)
声を上げて、泣いた。

落涙と夢の欠片が自分の心に突き刺さる。敬愛する上官さえ救えないと言う事実で泣いた。さようなら、シリウス。星になった人は永遠に英雄として称えられるだろう。讃える事しか出来ないのなら、泣く事しか出来ない自分が憎い。

さようなら、シリウス
(彼は星となって消えた)



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