*まだジュリエッタの口調を把握できなかった頃に書いたのでジュリエッタの口調がややおかしいです
「誇り…か」
彼が言っていた誇りという言葉に、私は少し気になっていた。ラスタル様と一緒に居られるのが私の誇り。と言っていたけれども、あの仮面の男はどうも誇りというと少し顔色を変えて(まぁ仮面だから顔色は伺えないけれども)いるように見えた。私は、ラスタル様に直接聞いてみる事にした。
「どういう事ですか、あの男は私の言葉に少々反応していました」
「それは、機密事項だ。ジュリエッタ、お前は真実に近づきすぎない方が良い」
「真実?」
「真実を知ったら、結果が変わるとでも思っているのだろう。それは大間違いだ――結果が良い結果になろうと、悪い結果になろうとも、真実は目を背けずに現れる」
「…分からないわ」
私はそう思い、ヴィダールが私の言葉に反応した理由について少々考えていた。すると、ある考えに至った――直接、ヴィダールの部屋に行けば何か分かるかもしれない。私はそう思い、隣にいた人に彼の部屋がどこにあるのか聞いてみる事にした。
『彼の部屋は、あの巨大なモビルスーツのハンガーがかけられている部屋の隣のドアにあります』
こっそり部屋に入った私は、その殺風景な風景に驚かされた。ベッドに、何かが置かれている棚と、テーブルしか置いていなかった。何この殺風景な部屋。と私は思いながらも、棚を見た――あった、データデバイスだ。すると、きらりと何か光るものが置いてあったため、それを取ってみた。
「…欠けた、勲章?」
私は驚きを隠せない表情を浮かべ、それを棚に置き…データデバイスを調べた。データデバイスを調べた結果、中に入っていたのはあのモビルスーツについてのデータと、ある人物のデータだった。
「E I N…アイン?アイン・ダルトン…?」
アイン・ダルトン。階級は三尉。火星出身の地球人の父親を持つハーフであり、火星支部アーレス所属。アーレスが鉄華団に壊滅されたため、セブンスターズの一員であるガエリオ・ボードウィン特務三佐に預けられる。その後重傷を負い、グレイズ・アインに繋げられる――なに、何よこの…嫌なデータ。と私は思うも、最後に書かれていたのは…ふと、後ろに誰かがいることに気付いた。
「…!?」
「貴様、何を物色している」
「…いや、ちょっと調べ物をしていただけよ…」
「調べもの、か」男――ヴィダールはそう言い、データデバイスを取り上げた。私は「アイン・ダルトンって…」と言うと、ヴィダールは…そういった。
「――忘れろ」
「何を、忘れるの…」
ヴィダールは、冷めた口調で、言った。
「忘れろ――過去の、残響だ」
そう、最後に書かれていたのは――
――誇りについて、ガエリオから教えられたが、その感情は阿頼耶識システムに不要。直ぐに排除する――。