君の正義について

「ファリド特務三佐は、本当に御友人は居ないのですか?」
石動にそう言われた時は、ふと我に返った。マクギリスは最近、執務に追われており――疲労の顔が見えている。石動は「お疲れの様ですか」と言い、紅茶を持って来た。マクギリスが、その時に発した言葉は。

「昔、友人が居た」

「友人、ですか」と石動は静かに反応をした。もう友人はいない――マクギリスはそう言い、『昔』と言う事は、ああ友人がいたんだなと思った。マクギリスは、静かに昔話を始めた。

「ねぇ、マクギリスったらー!そんなに逃げて、どうするんだよー!」
「逃げてる訳じゃ無いだろ」とマクギリスはそう言い、紫蘭の髪をした少年にそっけなく話しかけた。紫蘭の少年は「えー、僕マクギリスと話をしたいのに!」と言ってきたが、マクギリスは「ふん」と言葉を返した。
「アンタ、またマクギリスに話しかけているのね」と白髪の少女は、紫蘭の少年にきつく当たった。紫蘭の少年は「だってカルタが」と言うも、マクギリスは「君たち、何しに来たんだ?」と言葉を返した。
「一緒に木登りをしよう!」と紫蘭の少年はそう言い、白髪の少女は「そうよ!あんたは一人で本で読んでいるけど、この私が許さないわ!せっかんよ!せっかん!」
「うわーんカルタが怒ったー!」と紫蘭の少年は泣いた。

「…大切な、友人だったよ…」
マクギリスがふと呟くと、石動は「では、その友人というのは?」と言葉を返す。
「ガエリオと、カルタ」
「ガエリオ…ガエリオ・ボードウィンと言う訳ですか。あの、悪名高き…そして、カルタ…。カルタ・イシュー…と言う事は、特務三佐は…」
「ああ、大切な友人だったよ。最も、二人とも、死んだ」
「死んだ…」と石動が口を重くした。するとマクギリスは、昔話を続けた。

「でもなー、マクギリス。ギャラルホルンは腐敗しているんだ。俺達で変えれる訳が無い。内部で変えていこう」
「そうだな」とマクギリスはそう言い、モニターに映る紫蘭の男はにこやかに言った。
「それでな、マクギリス!俺に部下が出来たんだ!アインって部下が!嬉しいな、俺はやっと光栄ある部下に恵まれたんだなって!」
そうだな。とマクギリスは話を続ける。
「で、君はいつまで鉄華団を追い続けるんだ?」
「んーと、アインの夢が叶うまで」
「叶うって…君は全く…」
「ははは、そう言うと思ったさ」

「…では、貴方が信頼していた男というのは、ガエリオというのですか」
「ああ。そういう男だった――大切な、友人で…それに、憎たらしく思えた」
昔話をしてもしょうがない。昔話の続きは、また後で。すると、石動は言う。
「…貴方は、大切な友人に恵まれたらしいですね。羨ましいです」
羨ましい――言ってもらえて、十分だ。マクギリスは、立ち上がる。

「さあ、昔話の続きをしよう」

そう言って、再び立ち上がる。



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