僕はきみしか知らない

狩猟団の新入りである騎士と会話をしていたシバは、妙に心が弾んでいた。剣類や刃物を好む彼は、騎士であり剣で戦う彼を妙に気に入っている。
それはそうだろう、東の国は刃物――即ち刀を用いて戦う。騎士(東国では侍と言われているらしい)は刀を用いて戦うのだ。なので、異国の騎士に興味が弾んで会話をしている。…その光景の一部始終を見ていたものが居た。影の問者と言われている裏家業を営む者の衣服を着ている男だった。シバが彼と会話を終えた後、向こうで彼が手招きをしているのを見て――すぐさま、彼の処に駆け寄った。


「悪かったよ、新入りであるあいつと長会話をして…ヤりたい気分は分かるが、もう少し我慢をしてくれないか」
だが、彼は首を横に振り…彼が少し怒っているのに気付いたシバは、少し息を吐きながら、彼の覆面をはらりと外し、唇に噛み付く様なキスをした。


東国には、問者の彼等しか知らない悍ましい闇がある。
それは、拾ってきた孤児を集め、幼くして裏家業に染める事と――もう一つは、淫らな行為で彼等の心を壊させると言うものだ。
彼も、そんな悍ましさを秘めた裏家業に手を染められた被害者でもある。泣き叫ぶ彼の姿を見ながら、主達は薄ら寒い笑みを浮かべながら――。
「ふぅ、っ…」
シバが堪えた雄の快楽に声を震えながらも、彼が雄を両腕を使って奉仕している様を見ていた。いつだったか、彼を助けたのは。虚ろ虚ろ、壊れた人形のように奉仕している彼を乱暴に扱う輩を斬り捨てた後――彼が自分を慕ってくれるようになったのは。
「あぁ、あ…」
自分の雄に跨って、ぱんぱんと乾いた水音と、声にもならない嬌声を上げる彼を見上げる。それはただ、窮屈なルールに従っている自分と、それを作り上げている彼らが気に入らなかっただけの事。だから、殺した。
「シ、バぁ……」
甘い声で彼の名前を呼ぶ。こんな人殺しについてきても、何も特にならないだろう。いいや、彼自身も壊れているからこそ、ついてくるし、自分をこんなにも愛してくれるのだ。
「いやっ、やっ、あああああ…」

白濁した液を彼の胎内にぶちまけた後、けだるさが残った。そして、壊れた笑みをしている彼も、どうにも愛おしい。


これからも彼の仲は続くだろう。そうだとも、彼と自分は追われる身なのだ。この狩猟団に居る自分も彼も、逃げるように居続ける。それが、そうすることしか存在する事しか出来ない理由なのだ。

(しかし狂気と呼ぶにはあまりにも幼く)

title:ギルティ



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