狂気か、それとも慈悲か

「メガトロンは神でもない、王でもない――あの男が恋い焦がれる存在は即ち、弱者に等しい」

デスザラスと言う男のメガトロンの結論は、単純に下されていた。だが、と男は自分に目を向けて話を続ける。
「お前は神を信じているが、神の為に他者を殺し――虐殺を肯定する。誰に向けての言葉か?プライマスか?それとも――ダイアトラスか?」
彼はそう言い、言葉を紡ぐ。自分は後退りしながらも、俯いた表情をデスザラスに顔を向ける。
「…プライマス」「違う」「プライマスに祈っている」「そうじゃない、貴様はダイアトラスに捨てられたんだ」「貴様に何が分かる!」
そうして、すぐ怒鳴る。あの時――ダイアトラスのように。
「だが、そうだろう?」
震える声を――肩を、叩く。デスザラスの自分に対しての結論は、当の既に決まっていた。
「俺は――貴様にしか殺されたくないと思っている。自分を殺すのはあの男でも無くて、イカれた改造兵士でもない――貴様に殺されたくない……思っていた以上に、俺も狂っているんだろうな」
執着している時点で、狂っている――果たして、この戦場で正しくいられるものなど居るのだろうか。そう考えた時点で否定はする、が。デスザラスは、狂っていると評価しているが――戦争のために生み出された存在が果たして正しい答えを持ち続けていると思うのだろうか。
神の為に虐殺を肯定する自分と、
戦争の為に生み出され、虐殺を行う彼。
まるで自分が怪物だと肯定する様に――彼は自分の白い髪を触った。
「お前は血塗られた勝利を携えろ――そして、俺の為に人を殺せと答えれば?」
「断る」
そうだ。自分は神の為に生きる存在だ――だが、彼の瞳には、まるで自分を欲している。と捉えているように思えた。



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