さよならのない世界

自分を両腕で覆い、真剣に目の前を見透かしている彼は、にんまりと口を真っ直ぐに見据えた。
「何故私を捉える」
「お前が泣きそうな顔をしているからだ」
失恋している顔のようだな。とデスザラスはそう言い、白いワイシャツのボタンを手にかける。それを片腕で止め、スターセイバーは彼に答えた。
「不届き者」
「言うと思った」
デスザラスは赤い髪を撫で、さらりとスターセイバーの頬を真っ白い手で触る。
「お前は人形のようにピクリと表情を変えないな――どうせ、その顔をダイアトラスの前では――」
スターセイバーはその事を聞き、デスザラスの首を絞めようともう一方の片腕を出そうとするが、デスザラスの腕に阻まれる。
「…つまり、その様子だと処女じゃないんだな。お前、ダイアトラスの事が好きだったんだな」
「煩い」
「別れたんだな」
「黙れ」
「言うと思った、やっぱり寂しさを紛らわそうとしているじゃないか」
ダイアトラスに失恋したんだろう。理想とか、思い違いのせいで――図星だな?
デスザラスの図星に近い言葉で、スターセイバーは黙る。すると彼は、デスザラスのシャツの肩を引っ張り、近寄せる。
「どうしたんだ?」
「……少し、忘れたい」
「ダイアトラスの事か?やっぱり、一人だと寂しいのか?」
「煩い、黙れ――それと、主導権はお前が握れ」
「はっ」
「忘れたいんだ」
素直じゃないな。と、デスザラスは片腕でスターセイバーのワイシャツのボタンを外し始めた。

(――それと、お前が始めてだったらあいつから奪えたのにな)



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