heavenly blue




天の蒼、希望の虹

『長らく、禁忌とされていた事はある――』
そして、告げられるのは…?

フロディは、倒れているリフィアを庇いながら…瓦礫を盾に、立ち上がる。瓦礫が無かったら――危うくどうなっていたのか。そして、アスガルドの惨状を見て、思う。
――これが、アンドレアスの望んでいた世界なのか…?誰しもが平和に暮らせる、温かな地上で…豊かに、のどかに暮らせる…。もし、生きているなら――答えて欲しい。あなたは、こんな世界を望んでいたのか?!
だが、フロディを呼ぶ声に気付く。
「シグムンド――!ヒルダ様とフレア様も、ご無事でしたか!」
「貴方も無事で何よりです…よくぞリフィアを、守ってくれました」
だが、肝心のリフィアは――目を覚まさない。
「しかし…」
「彼女に罪はありません…私がしっかりしていれば、このような事には…!」

君が見る夢は
古いインクで紙に書いた祈りのよう
小さなその手が縋るものも
今はまだ何処にも無い
それでも君の行く道を
奇麗なものは奇麗なままで
守り続けたいと思うよ

「此処は何処…?」
リフィアが目を覚ませば、空虚な所だった。そうだ、自分はフロディに庇われて――そうだ、グングニルの槍が、完全に目覚めてしまったのか。もう、希望なんてありはしない…残っているのは、絶望と言う名のパンドラの箱だ。
「そうだ、私は…遂に、力尽きてしまい…ロキは、グングニルの槍を手にしてしまった…」

一粒の水たまりが、彼女の耳に反響する。
「誰…?オーディーン様…?いえ、違う…貴方達は…!」

空と水が星を染めて
淡く虹を描いて散って
眩しい夜君が歌う
声は何処まで届くのだろう

「残念ながら…私の体は、もうオーディーンの力を、使う事は出来ません…」

『諦めるな』
『希望はまだ、残されている』
『だから――力を貸してくれ』

「この私に――まだ出来る事が、あると言うのですか?」

憧れの住まう
蒼い星のひかり
ただ僕らは恋をして
たったひとつの未来の為に
今の全てを奏でてみる
飛び立つよ
まだ暗い空へ

そして――全ては、光に包まれる。

heavenry blue/Kalafina


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