虚の玉座と空の終焉




破滅を知り、空を知る。

アイオリアとロキの戦いを見ていたアイオロスは――生まれゆくグングニルの実が成熟してしまった事を知る。
「いかん…グングニルの実が…急げ――アイオリア!」
破滅へのカウントダウンが、今すぐに…いや、まさに近づいていた。

アイオリアはロキに連続攻撃をし、ロキもまた、アイオリアの攻撃に苦戦を強いられていた。
「お前の野望は――此処に潰える!」
だが――ロキもまた、狡猾に潰える自分ではない。グングニルの実を――見る。
『もう少しで――もう少しでグングニルの槍が!』
そして生まれたのは――禍々しい存在。
「――アイオリア!」
アイオロスの声と共に、アイオリアはロキに突進をする。

「リフィア…!」
リフィアの力も、限界に近づいていた。フロディは――叫ぶ。
「――急いでくれ!」
(お願い――あと少し、持ちこたえて!)
リフィアの祈りは、届くのだろうか。

ドラウプニルの力で――ロキに、最大限の一撃を与える。そして――生まれたのは、一本の槍!
『おお…!遂に…!グングニルの槍の…』
そして彼は――槍に、手を伸ばす。しかし――乙女の叫びと共に、ドラウプニルは輝きを最大限に発揮した。
「これで終わりだ…ロキ!闇へと還るが良い…ライトニングプラズマ!』
閃光の一撃を、彼に与える。そしてロキは――腹に槍が突き刺さり…まるで、殉教者の様にだらりと項垂れ、息絶えた。
「やったか…!?」
いいや――本当の悲劇は、此処から始まる。
復活したロキは――何もためらいも無く、槍を持つ。神の力か、それとも…?
『私は…認められたらしい――主として!』
「まさか…!」
アイオリアは、戦慄をする。どうやら、最悪の事態を招いてしまった事を!

『聞こえるのだ…声が!地上を、この世界を与えようと言う声が!』

『間違いなく今――私の手の中で、そう言っている!』
闇の胎動が放たれる。

「そんな…!」
リフィアは、恐れていた事態を招いてしまったと知った。
「遂に復活してしまったと言うのか…!」
フロディは、絶望を知る。

そして、ヒルダは語る。
「この世に…決して蘇らせてはならぬ――伝説の魔槍!」

「グングニルの槍…遂に、ロキの手に…!」
「あと少しと言う処で…!」
そしてロキは――語る。
『これでもう…この地上に私を止められる者など居ない!』
そして――強大な一撃が、アスガルド周辺を襲う!

「兄さん…!」
アイオリアは、アイオロスを庇い――。

「ぐうううっ!」
フロディは、リフィアを庇い――。

「ヒルダ様――!」
シグムンドは、ヒルダとフレアを必死で庇う!

そして、辺りに静寂が包まれる。


≪ ≫
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -