血闘のアンビバレンス




血が薫る世界には花が咲く。

「――クリスタルウォール!」
水晶の盾が、アイオリアからその一撃を守った。ムウは、アイオリアを守る盾となる。
「牡羊座か――その程度の防御で、私の攻撃を防げると思うな!」
だが――それだけではない!
「防御だけでは無いわ!廬山昇龍波!」
龍の一撃が――アンドレアスの一撃を消し飛ばす。
「天秤座――!」
ムウは、アイオリアに「大丈夫、アイオリア」と手を貸す。童虎は「遅れてすまなかったのう」と詫びる。
「ムウ!童虎!」
頼もしい仲間が出来たのだ。これで、反撃開始と言え――アンドレアスに一矢報いる為の第一歩となる。
「老師――」
「うむ、油断するでないぞ…ムウ」
彼等は、駆け出す。宿命を終わらせる為――アンドレアスを倒す為!
「ふっ…思い出すわい。先の聖戦を!」
ムウの顔に――かつての友であり、生き残りであったシオンの面影を感じ取った。その意志は――受け継がれていく。
「行くぞ――!」
「はい――!」
二人は、大きく空を飛び――構える。
「牡羊座と天秤座…二人の黄金聖闘士二人がかりか」
「スターダスト・レボリューション!」星星の煌き――。
「廬山百龍波!」龍の咆哮――。
「しかし、その程度では…」

「誰が二人と言った!?」

「双子座…!」
双子座の――サガ!
「アナザー・ディメンション!」
空間超越と名乗ろうか、その空間を纏う一撃が、アンドレアスに襲いかかる!
「ふんっ…小賢しい!」
空間を切り裂いたアンドレアスを――三人は見据える。
「此処からは我等が相手だ――アンドレアス!」
サガは、凛とした表情で彼を睨む。シグムンドの誇りを侮辱し――多くの神闘士の魂を翻弄したその罪は、一番重い!
「サガ!」
「サガよ――お主も生きておったか!」
サガは、アイオリアに話しかける。
「アイオリアよ…そこで、お前は大人しくしているが良い」
「な、何を…っう…!」
ダメージがまだ残っているのか、少し動きづらい。すると、童虎は彼の頭を撫でる。
「サガの言う通りじゃ――今のお主は、ちいとばかし熱くなりすぎてるからのう」
何をからかっているんだ!とアイオリアは、この時思った。
「ムウよ――このユグドラシルは、あやつの意のままに動いているのじゃな?」
「はい…アンドレアス冴え倒せば、あの邪悪なる実の成長を止められる筈です…」
「そうと分かれば――やる事は、一つじゃ…行くぞ!」
さあ、反撃開始だ!


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