不完全犯罪依存症




不完全なのは世界だ。
だから、この世界を支配して完全なる世界にしてやろうと思った。

勝った、のか――?
フロディは、そう思っていた。ウートガルザに、勝ったのだろうか。だが何故だろうか、胸騒ぎが納まらないのは。
「立ったまま、絶命したか――ウートガルザよ?」
仮面が露になった瞬間、素顔は――まだ、幼さが残る青年の顔だった。だが、彼から――真実の一握りが明かされる。
「これが――?これが、全ての真実…?」
――貴様のその覚悟、見事であった…ウートガルザよ!
光が強ければ、また闇も深し――それが、宿命と言うべき存在。

アイオリアは、全てにけりがついた…そう思っていた、矢先の事だった。
「な、何故だ――?」
アンドレアスに、塵一つ残っていない。何故、自分の思いを込めた一撃が効かない!?
「激しい怒りに任せ――冷静さを失った拳…そんなものが、この私に当たると思いましたか?」
だが、大きな爆発が起こった。
「勇者の間の像が、崩壊…か」
「七つの像は、全てが消滅した。もう、これで…邪悪なる実は…!」
だが、闇の胎動が響いた。嫌な、予感がする。
「邪悪なる実が、まだ成長を続けているだと…!?」
そんな、馬鹿な――!?
種明かしは、された。そうだ――蟹座、牡牛座、魚座、水瓶座、山羊座、蠍座の聖衣を生贄に――その実は、成長が止まらなかった。煌星では無い、それは――魔星である。
「黄金聖衣――?」
「確かに、七つの像が、アスガルドの大地からエネルギーで…あの実は成長する。しかし、それではあまり時間がかかりすぎる」
「まさか――我ら黄金聖衣の小宇宙を使って――!?」
真実とは、残酷なほどに最悪である。

「黄道十二星座を成す黄金聖衣…その小宇宙は、太陽の力に匹敵すると言われている。その十二体、全て揃えば…あの実を成熟をするのに申し分の無い小宇宙を得る事が出来る」

「俺は、まさか…!?」
「その為に、蘇って貰ったのですよ…。あの実を育てる、糧として――ね」
真実は、何時も正しい道が得られるとは思えない。それは、十分にして――時として、毒となる事もある。だが、この真実は――毒に匹敵するに十分の残酷さでもあった。
「では――やはり、リフィアは…!?」

「彼女は私の操り人形…ワルハラ宮の侍女ごときが出来る事など、たかが…知れている。彼女は、良く働いてくれました。おまけに禁忌を犯した報いさえも、受けてくれた」

信じられない――全てが、アンドレアスによって仕組まれていたのだ。
「そんな事の為に…リフィアは…!」
だが、アンドレアスは、手を掲げ…一撃を、アイオリアに喰らわせた。
「神聖衣を使ったお前にもう力は残されていない…大人しく、我が野望の糧となれ――獅子座のアイオリアよ」
だが、アイオリアは再び――立ち上がる。
「兄よ…、貴方は言った…。このユグドラシルへ来れば、答えが見つかると…!本当にこれが、全ての答えだと言うのか…!?アイオロス!」
「アイオロス――?」
アンドレアスは、ピタリと動きを止める。
「射手座のアイオロスの事か?奴なら既に――」
そこにあったのは、射手座の黄金聖衣。アイオリアも、驚きを隠せない。それは――真実の追撃と言えるべき存在。
「そう、十二人の黄金聖闘士の中で、一番最初に蘇り――この私と戦ったのが――射手座でした。そして――一番、最初の生贄になったのも…」
アイオリアは、あまりにも残酷な真実に、打ちのめされる。もう、希望など何所にも在りはしない。
「逝くが良い――兄の元へ!」
止めが刺された――その瞬間!


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