渦巻く策謀




私は、朝の夢を見る。
まだだめよ、まだだめよ。
何色の朝が来る?
まだだめよ、まだだめよ。
まだ夜は食べかけよ。
眠っている子は、どこにいる?
でも夜は、溶けていく。

「私が神ではない――?一体、何を言い出すのですか?」
戯言を。とバルドルはぼやく。
「確かにお前は、神によって比類なき力を得たのであろう――しかし、お前には足りぬものがある」
「足りぬもの…?」

「神足りえぬ者が持つ――決定的なものが、お前には…無い!」

「お前が力を得た…その時、それは失われた」
「馬鹿な…!この私は、何も失ってはいない!」

「神とは時に与え――そして時に奪うもの!」

「っ!まさか…神は…!オーディーンは、この私から、力の代償から、何かを奪ったとでも…!?」
バルドルは焦る。まさか…本当に?

「そして――その神は、オーディーンなどではない!」

「っ…何…!?」
再び彼は絶句する。シャカは、真実を再び語りかける。それは、まるで――釈迦の掌の上で、祈るように――語るように。

「私は…このアスガルドに復活してから、楽園(エリシオン)の女神に、何度も問うた」

それは――洞窟での瞑想の事だ
『女神よ――もし私の声が届くなら、お答え下さい…!この地上で…我らに託されし――本当の、意味とは!?』
「しかし――女神からの答えは、得られぬまま…ただ一度だけ…」

『今アスガルドを導くのは…果たして、神オーディーンの意思なのか…?』

しかし――それは、想像を絶する答えでもあった。

「答えは――否!」

「馬鹿な…!?だとしたら、私に力をくれたのは…!?今、アンドレアス様を憑代としている者は一体…?!」
そこで明かされる、偽りの地上代行者の真実。けれども、誰も答えてはくれない。

「この地上で蘇りし――邪悪なる存在!」
そう、邪悪なる存在にして――トリックスターと言えよう。その悪意にまみれた神の名前は――。

「命乞いでもするか…!?どのみち、許すつもりはねぇけどな…!」
デスマスクは、戦いの構えをする。
「ハッ…!命乞いだと…!?あれを見てから、言うんだな…!」
デスマスクが見たのは――信じられない、光景だった。


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