TRUST HEART




力だけでは正義ではない。なら強行突破で駆け抜けろ。

倒れたシュラに、スルトのレーヴァティンが向けられる。カミュは「やめろ、スルト」と友の名を呼んだ。
「あのダメージを受け――まだ意識があるとは…」
スルトは冷酷に語る。
「既に勝負はついた…シュラはもう立ち上がる事は出来ぬ」
「山羊座は――かつて仲間の黄金聖闘士を殺したと聞いたが…お前を相手に、手加減をしたのは意外だな」
「手加減など――していない!」
「何…?」
スルトが「まさか…!?」と気付くと、氷の像はひび割れ、破壊された。

「最初から――氷の像を狙っていたのだ」

まさか、シュラの本当の狙いはこれだったとは。シュラのやり方に戦慄を覚えるも、スルトはカミュの甘さに苛々していた。

「シュラとは――そう言う男だ」


一方――巨人の間では、ヘラクルスとアルデバランが戦っていた。
「今の小宇宙――もしや、神聖衣と神聖衣の――!?」
「よそ見している暇は無いぞぉぉぉぉ!」
ヘラクルスの拳が、一撃が――彼を襲う。アルデバランは、柱にぶつかった。
「どうした…牡牛座よ…!これでもまだ見せぬと言うのか…!?神聖衣の力を…!」
だが、柱の瓦礫を破壊し――アルデバランは、「何度も言わせるな」と再び立ち上がる。

「お前ごとき相手に…その必要は無い!」

「な、何故だ…!何故通じぬ!今だ我が力が足りぬと言うのか!?」「足りぬのは力だけではない!?」

「何…?!」
ヘラクルスは、まだその真実を知らない。
「目を――覚まさぬかーーーーーーーーー!」
アルデバランの渾身の一撃が、彼を襲う。
だが、ヘラクルスは両腕に装着した車輪で――ウォルタ・トルナードを放った。
「どうした…!さぁ、見せろ牡牛座!神聖衣になれええええええええ!」
「哀れな戦士よ――。強さを求めるあまり――オーディーンサファイアに魂を奪われたか!ならば見せてやろう!」

「滾れ――我が小宇宙よ!」

そして――彼に、力の真実を教える為に――グレートホーンを放つ。


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