Seaventh Heaven




七つの天国と七つの地獄、どっちが良い?
結果的には変わらないけど。

「結局、何処の誰が俺達黄金聖闘士を復活させたのか――分からないのか」
シュラはそう言い、ユグドラシル内部を進んでいく。
「分かっているのは――このユグドラシルの成長を続けている…邪悪な存在を、一刻も早く――破壊しなければならない…ということ」
アイオリアはそう言い、シュラの言葉に返事をした。
リフィアは、出口が見えた事に気づき、「見て――アイオリア!」と叫んだ。

「此処は――!?」
「恐らく…ユグドラシルの中心部…」
光が僅かながら見え、オーディーンの像が聳え立っている。だが、聞き覚えのある声が聞こえた。
「童虎…アルデバラン…」
「ムウ!」リフィアは二人目の黄金聖闘士の名を呼ぶ。
「アイオリア…シュラも久しぶりじゃのう」
童虎は、元気な孫を見るように言った。
「…このお嬢さんは?」
「彼女は――リフィアだ。先代のオーディーン代行者であったヒルダに仕えていた」
「細かいことは言い…女神の黄金聖闘士の天秤座の童虎じゃ」
「牡牛座のアルデバランだ」
リフィアはそれぞれに「宜しくお願いします」と言い、ムウは「まずはどうにかして…ユグドラシルの何処かにある邪悪なる存在を見つけなくてはいけませんね」とぼやいた。するとリフィアは――ある言葉を紡ぐ。

「偽りの豊穣に惑わされし人々を糧に――大樹ユグドラシルはその根を大地に伸ばす。宿りし災いの種が育つとき、それはやがて――邪悪なる実となり、この大地を滅ぼす」

「何じゃ、それは?」
童虎は疑問に抱いた。
「ワルハラ宮を出る前に読んだ――古い文献に書いてあった一節を思い出したんです。これには続きがあって…」

「邪悪なる実を滅ぼす術はただ一つ――大樹を支えし七つの間――知恵の間・スヴァルトアールヴヘイム、巨人の間・ヨートゥンヘイム、光の間・アールヴヘイム、死者の間・ヘルヘイム、勇者の間・ヴァナヘイム、霧の間・ニヴルヘイム、氷の間・ヤーヘイム…それらに眠りし七つの像を砕かぬ限り、邪悪なる実を消し去る事は出来ない…」

「リフィアさん…?」
何故だろう、様子がおかしい。虚ろになった目をしたリフィアを、「おい、リフィア」とアイオリアが正気に戻した。
「…ぁ?ごめんなさい。何か頭がぼーっとしちゃって…」
本当だろうか。童虎は疑問に抱いたが…。
「…その話、信じて良いのじゃな?」
「えっ?」
疑問を抱く童虎に、ムウは宥める。
「…老師、リフィアさんの言葉に、偽りなどありません」
「そうか…疑ってすまなかったの」
「いえ…良いんです」
するとシュラは疑問を吹っ切るかのように語る。
「兎に角…その7つの間にある像を破壊しないといけないわけだな…今此処に居るのは5人か」
「黄金聖闘士が5人も居るのだ…充分であろう」
するとアイオリアはリフィアに言葉を投げかける。
「リフィア――お前は戻れ」
「アイオリア…!」
ムウも、アイオリアに続いて語る。
「彼の言うとおりです。この先は…何が起こるか分かりません」
「でも…!」と憤るリフィアに、アイオリアは言葉を紡ぐ。
「安心しろ…7つの像…そして邪悪なる存在は…俺達が必ず破壊してみせる」
リフィアは――アイオリアの言葉を信じてみる事にした。

「良いか皆――油断するでないぞ!」
童虎の叫びに応え、5人の聖闘士達はそれぞれの間に行った。残されたリフィアは――道を駆け抜け――光に導かれ…ある場所へ辿り着いた。それは、死者の間――ヘルヘイムであった。
「此処は…?」
蘇る記憶。水晶玉を持ち、うつろな目をする自分。リフィアは――それに導かれるように――!


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