Übrigens wird es gesagt, dass ich einen Walzer mit Ihnen spiele
「ご報告致します」
サタネルの王53番目であるグラディスは、『傲慢』を司る大悪魔レボルトに報告を致した。
「『怠惰』のカーバリオ様が、レボルトにお会いしたいのだとか…」
『怠惰』のカーバリオねぇ…。レボルトはそう思い、書類に手をかけた。『怠惰』を司る悪魔カーバリオはかつては自分と同じく神界の存在であるが、ある事をきっかけにして大罪を司る悪魔へと変貌した。『嫉妬』のペルブランドや『強欲』のラケルト、『暴食』のシュトルツ、『憤怒』のクルード――そして、我が友のソキウスが居る七つの大罪の悪魔達は、一筋縄ではいかないのである。
「そうだ、グラディス…お前、30番のベントーザには会わなかったか?」
「え、ベントーザ殿でありますか?拙者は何も…」
「なら、良いのだが――ちょっと付き合え」
レボルトは軍服を脱ぎ、漆黒のドレスに着替えた。グラディスは正装に着替え、レボルトを見る。
「俺と踊って貰おうか」
「な…何故で!?せ、拙者はもう一仕事がありますゆえに…」
「良いから、踊るんだ」
グラディスの手を掴み、レボルトはワルツを奏でるように踊る。グラディスもレボルトに惹かれるように踊る。
(―――いいものだな)
愛する親友ソキウスとは違い、この男は仕える存在だ。サタネルの王は、忠実なる大悪魔の大悪魔が生み出した対天使用人型兵器である。感情豊かなサタネルの王達は、七つの大罪の悪魔に使えるべき存在でもあるのだ。何れは天使を殺す為に死に逝く存在。が――レボルトには、ソキウスと一緒に人を殺す事しか考えてなかったのだ。
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