ツヴァイ・ザ・マハト・オラトリオ
「また、虐殺したのだな」
レボルトはそう言い、バスタブで身を清めていた。豊満である胸には痛々しい刻印が刻まれており、快楽は虐殺である事が美しいと思えた。
「だったら、俺は虐殺が美しいと感じた。お前もそう変わらないだろう?」
ソキウスはそう言い、解けた髪を櫛で解いた。レボルトは「だろう?」と言わんばかりにソキウスに口付けをする。盟友である彼は美しい。革命を起こす自分は美しい。と言いながら、レボルトはバスタブから出て、軍服に着替えていた。
「さて、ソキウス――また、虐殺の続きを始めようか?」
「だったらどうする。俺は虐殺を救済の為にしているのだ。善も悪も関係ない」
「全くお前は、女になっても可愛げが無い奴だ」
ソキウスはそう言い、レボルトの体を抱っこした。
「おい、何を」
「決まっているだろう。お前を抱く」
「そうか、じゃあ決まりだな」
女である事が美しい。だが、ソキウスは彼女の言う事が愛おしく感じた。
――この悪魔は、女であっても男であっても美しい事か。
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