あなたがここにいる理由
全てが終わった後、私は彼の元に行く。
「俺を笑いに来たのか、クルード」
レボルトはそう言い、黄金の色が全て抜け落ちた髪が笑いに来たと言う事実を物語る。
「笑いに来たのではない、話をしに来たのだ」
私はそう言って、レボルトに語る。
「お前は、私の影だったのだな」
「一体何を言っている?俺は、世界を破滅しかけたのだぞ?其れが何を?大体貴様は――邪魔だったんだ。俺が終焉の結びをなす為に邪魔な存在だった。シュトルツも、そうだ。始まりの魔神の掟に従い、過去の呪縛に囚われている」
「私も、そうだった」
レボルトは、瞳孔を暗くしており――虚ろだ。
「過去に苦しみ、始まりの魔神に疑問を抱いていた。だが、シュトルツやペルブランド、バーリッシュ――リーベルト、バイズ、ドロッサスが居たから、私は此処に居る。
竜神翔悟は、やり方に疑問を抱いており、自分で自分なりのやり方で解決をした。お前は、他人を犠牲にしてまで野望を叶えたいのは…間違っている。だが、お前も始まりの魔神に疑問を抱いているのなら、私と同じだったのだな」
「俺はソキウスを殺してまで――達した野望はなんだったんだ?その結果がこの様だ。俺は、罪を持って生きらなければならない」
するとクルードは、フッと笑う。
「レボルト――人は、例えどんな罪を犯しても、やり直せる。お前が戻って来たら、その時は覚悟しておいた方が良い。相当の罰を考えておくからな」
クルードはそう言い、背を向ける。そして、姿を消したのだった。
「…人は、やり直せる…か。そうだな、俺は、間違っていたかもしれないのかもしれないな、ソキウス…」
人は、例えどんな罪を犯しても――仲間が居る限りやり直せる。其れでも、私は罪を犯しても、彼等が此処に居る限りは――。