黄金の獣

幼い頃に、銀髪の少年、ソキウスと些細な会話をしていた。まだ帝国と戦争が起きる前、魔術や狩猟の勉強を一緒にしていた身である。自分は、優等生を演じて――その中身は狡猾で残虐な性格をしている獣を隠している。だから王国の騎士団に入った時は、隊長に顔負けくらいで頑張ったのにあの頑固な老害は自分を団長候補とは認めてくれない。歴戦の英雄は語る。「力を無闇に振り回すお前を、指導者とは認めない」と。頑固な老兵だ。さっさと認めてくれれば良いのに。だが、ワイバーンと『契約』している身だ。何れは死ぬ運命にある。

小さな小屋の中、死に掛けた魔術師をベッドに寝かせて、薬草で調合した薬を飲ませ、自らの契約した能力を使って、首の傷跡を癒す。何と滑稽な物だろう、自分が人を助けるのは、初めてなのだ。何故、この魔術師を助けたのか?笑いが止まらない。自分はそう思い、ただ魔術師を見る。

―――――目を開ければ、見知らぬベッドの中だった。首に痛みは無い、包帯が巻かれており…首は何とも無い。周りを見渡せば、床には本が散乱しており、棚には剣の稽古についての本や、武器が置かれていた。この自分を助ける人など早々居ないはずだ。あの聖域の森に入る事さえ難しいのに。するとドアがガチャ、と開く音がした。入って来たのは、自分よりも年が上であろう、金髪の青年であった。自分とは同じ、アメジストの瞳であるが――明るい瞳をしている。
「…起きていたか」
起きていたとも。と頷くと、青年は欠伸をしていた。
「お前を助けたのは良いが、まさかソキウスがお前を使いにして派遣して来るとはな」
使い?何の事だ?と首を傾げると、青年は説明をする。
「ああ、自己紹介が忘れていたな。俺はレボルト――8代勇士の一人だ。ソキウスとは幼馴染の身であってな」
ああ、そう言う事かと妙に納得する。するとレボルトは、興味を持ったのか――こちらを見ている。
「同じ契約者なら分かるが、お前はガーゴイルと契約して、『声』を支払った。俺はケルベロスと契約をしてな――代償としては『狂気』を失った――が、俺は純粋のまま人を殺している。楽しいのでな」
ソキウスは自分を利用したのか。と納得をしたものの、レボルトを見ると何故か不快感を露わにするのは何故だろうか。するとレボルトは、ベッドに横になった。
「分かるだろう?お前も、俺も――契約をした身であり、逃げられない運命なんだよ」

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