アウルィーアの罪の王

『レムスの山で待つ』

レボルトはそう言い、手紙を置いて行った。フレイドはレムスの山に行き、レボルトの真意を確かめる為に一人でレムスの山へ行った。レボルトの真意は、そして彼の後を追ったソキウスは何処へ行ってしまったのだろうか。ふと、血の臭いがした。嫌な臭いだ――だが、「うぅ」と呻き声が聞こえていたらしく、誰か怪我をしているのだろうか?と駆け寄る。フレイドが駆け寄ってみると、瀕死の重傷を負ったソキウスが居た。
「………!」
ソキウスは脇腹に深い傷を負っており、赤い鮮血がだらだらと流れ出ている。気を失っているのか、目を覚まさない。彼はすかさず治療魔術を使い、ソキウスの傷を回復させた。
「レボ…………ルト………………」
レボルト?ソキウスをレボルトが手を掛けたと言うのか?フレイドは納得が出来ないまま、立ち上がる。べっとりとした掌に付いた血。其れは、痛みを知る事だ。とふと気付いた。ユニコーンと契約したカーバリオは、力を得た代償に痛みを失ったと聞いている。痛みを知らぬ事は、きっと、人間を辞めてしまう事。でも、契約した人間は――既に人間ではない。フレイドはその事を噛み締め、レボルトの居る山岳の頂上へ向かった。

『お前は此処で用済みだ、ソキウス』
レボルトに剣で刺され、ソキウスは瀕死の重傷を負った。突然彼に脇腹を刺され、見捨てられた絶望を知ったのだと悟る。
「どうして、だ…」
ソキウスは、意識を徐々に回復している時に、彼の盟友の裏切りに涙をしていた。

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