魔術師と軍人

「大丈夫か!?」
目を覚ませば、銀髪の男に揺さぶられていた。脇腹を見れば、包帯でぐるぐる巻きにされており、止血されていた。フレイドは立ち上がろうとするも、痛みで動く事が出来ない。
「大丈夫か?此処は近くの港町の宿屋だ」
宿屋――確かに、水飛沫が聞こえる。だが、私は何者かに襲撃を受けて倒れた筈なのでは――。
「私が君を見つけ、此処まで運んだ。大丈夫か?痛くは無いか?」
フレイドはコクリと頷き、青年は「なら、良かった」と言った。
「私の名前はルーク。帝国軍の将校だ」
将校…フレイドがその名前を聞くと、ルークを見た。ルークは無言のまま動かないが、「君は契約者なのか?」と言った。
フレイドがコクリと頷くと、ルークは「やはりな」と言う。フレイドは立ち上がろうとするものの、腹の痛みで動く事すら出来ない。
「君が見つけた赤子のドラゴンなら、無事だ」
(無事…?)
「どうやら、水の魔物の正体は傷付いたドラゴンだった。私は調査をしていた時に君のような契約者と出会ったから――いや、話を戻そう」
話を戻すらしい。とルークは呟きながら、「このことは他言無用にしてくれないか」と語る。

「――レボルトと言う男の事だ。彼に気を付けろ…彼の逆鱗に触れれば、唯では済まないだろう」

ルークは「それでは」と言い、立ち上がる。フレイドはルークが一体何の用件で此処に来たのか知りたかった。するとルークは、こう語る。
「―――――ドラゴンの調査だ。それでは」
ルークはそう言い、宿屋の窓から飛び降りた。

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