不器用な子供

死んだ人は、死者の国に還るらしい。ペルブランド様はそう言い、私に死について教えてくれた。人は死んだら、死者の国に還るらしい。死者の国は、永遠の楽園と言われているのだ。だけど、私は幼い頃から身近にあった。私に食事を与えたあの子も、死者の国に行ったのだろうか。
そう思う私は、近くの港町の酒場で思いを耽っていた。酒場には酒を飲んで踊る人が居る。陽気な人達だ。と思うが、私は早めに切り上げなければならない。この近くで、水の魔物が出ていると言う噂があった。ペルブランド様から魔物討伐の命を受け、早めに倒さなければ。
フレイドはそう思い、ジンジャーエール酒を飲んでいた。飲み終わったら、酒場を出よう。と思いきや――一人の銀髪の青年が酒場に入って来た。
(帝国軍…?)
すらりと輝く青い銀髪、不器用な顔をしている、帝国の軍服を着ているが、どうやら魔術師であるそうだ――理由は、手に持っている本が魔術書だったのだ。
「すまない、ストロベリーアップルパイを5つくれないか」
「は、はあ…」
変な客だ。とフレイドが思うも、青年は彼を見て何かに気付いた。
「ちょっと失礼」
彼はフレイドの手を差し伸べ、いきなりなんだと言わんばかりにうなじ辺りを見る。青年は「ふむ」とぽつりと言い、出されたストロベリーアップルパイが出てきた時にはテーブルに座っていた。
(変な人だ)
フレイドはそう思い、外に出た。

「で、しゅとりょへひーあっふふはひほはへへいふほひふうひへいはふはほへはひはひは(で、ストロベリーアップルパイを食べている途中に契約者と出会いました)」
銀髪の青年――ルークはそう言い、窓に居る使い魔の鴉を見てデザートを食べながら伝えていた。
「魔術師である事は間違いありません。私も、ケルベロスと言う男の悪事を放ってはいけませんからね」
ルークはそう語り、確かに彼が魔術師である事に気付いた。

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