魔術師と狗

「久しぶりだな、レボルト」
ソキウスはパラパラと魔術書をめくり、レボルトを見た。レボルトは「久しぶりだな、ソキウス」と言葉を返す。レボルトはニヤリと笑った。悪友であり、共犯者である二人にとっては――クルードやシュトルツが邪魔で邪魔で仕方ないと思える。だが、彼にとっては全て計算通りなのだ。ソキウスは咳をしてレボルトに話しかける。
「…レボルト、ゴホッゴホッ…手短に話そう。お前、フレイドを利用したな?」
「そう言う貴様こそ、フレイドを利用したな?」
ソキウスは他人を利用する事なら構わない性格をしており、フレイドにはその性格を隠している。まぁ彼が狡猾な性格をしているのはレボルトも知っている事であるが、ソキウスのその性格――昔はそうではなかったのだ。

心優しい性格をしていたソキウスであったが、ある日、彼の故郷が帝国の兵士達が襲い掛かり、全員殺されたのだ。
『―――――――――父さん、母さん…僕は…』
村を戦火で焼かれ、ソキウスは生命の惨めさを思い知った。どうして、僕は平和を愛していたのに…。どうして、僕の両親は殺されたのだろう。信じられない…。
―――この日を境に、ソキウスの性格は豹変した。まるで、生命を嬲り殺すような性格になったと言う。

「俺は、生命を殺すだけさ。力だけが全てだ」
「お前なら言うと分かっていたよ」
ソキウスはそう言い、レボルトも苦笑をした。今夜は悪友同士、仲良く過ごそうではないか。たまには悪乗りをしても良いではないか?とレボルトは思うが、ソキウスはつられて笑った。

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テーマ「禁断の関係」
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