人と魔の境界線

既に夕暮れであり、フレイドは小屋に帰還し、ベッドに潜る。袋を開ければ、アメジストのブローチが入っていた。お母さんの遺品。と幼い思いが蘇る。其れでも、母親だから。殴られ、この身を売られても――お母さんだから。前に、気持ちが変わった気がする。死にたい。と言う思いが、「生きたい」となっている。何故だろうか…母親への愛情を、植えている自分は――。

「…帰って来たか」

レボルトはそう言い、ベッドに潜っているフレイドを見た。何時もの収穫をして来たのだろうか。彼が持ち帰ってくるのは金目の物ばかり。するとレボルトは語る。
「―――お前、ソキウスから頼まれているんじゃないのか?」
「……………?」
「前にソキウスが俺に帰還命令で使いを遣わして来たが――ソキウスがお前を利用したとしか思えない。アイツは狡猾で悪知恵が働く男でな、優男と判断したら大間違いだ」
初耳だ。とフレイドは思う。するとレボルトは、こう告げる。

「――王国に、俺を連れて行け」



「失礼します」
クルードの部下であるバイズはペルブランドに伝言を伝えに来たのだ。ペルブランドは「入って良いぞ」と呟き、バイズはお辞儀をしながら伝言を口にする。
「レボルト様がご帰還になられるようです」
「…そうか、厄介な人物が帰還になるのか」
ペルブランドは書類に目を付けた。この世界に関する書類のようであり、どれも古の時代に起こった事件や戦争ばかりが記載されている。

「…フレイド、私の部下であるのだが――どうしても、私はお前を死なせたくないのだ」

彼女はそう言い、腹の部分を手に当てる。
「リヴァイアサンと契約した身でありながら、子供を産む事を代償にして力を手に入れたが…お前も、契約した身なのだな。せめて、普通の子供として生きてて欲しかったのだが――契約者は普通では生きていられない…其れは、とても辛い事だからな…」

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