記憶の断片:憂鬱

時折、訓練所の図書室でフレイド様を何回か見かけている気がする。

セミリアはそう言い、憧れの人-グラディスさん-のようになる為に剣術についての本を探していた。でもやっぱり変わった人だなーって思うのは何故だろうか。無口を貫き通し、実力の高い魔術師であるが故に他の魔術師から妬みを貰っているけど妬んでいるのなら特訓して負けないように頑張れば良いのに。と心の其処から思った。すると指がキラリと光ったような気がした。セミリアが彼の元に近づくと――。

「――――っ!?」

フレイドは驚いた表情をし、一歩後ずさりをした。
「あっ、違うんです!俺はただその指輪を見て…!」
セミリアが必死に言い訳を考えていると、フレイドが羊皮紙に羽ペンでこう描く。

『何故、そんな事を?』

「あ、ああ、あああー…」
セミリアが必死に何かを考えている最中に、フレイドは加筆する。

『この指輪は、あの人-ペルブランド様-から貰ったものだ。貴方には関係ない』

「……そうですか………」
セミリアはそう言い、ポカンとした表情になった。すると彼は、図書室を後にした。
「……あっ!そう言えばウルーラに貸した本を返しておくのを忘れてた!」
セミリアはそう言い、図書室から出て行った。

言い訳を考えたが、母に関する本は見つからなかった。ペルブランド様が母の事を知っていたらしい。

『そう焦ってはならん』
フレイドは母の話になると、我を忘れた表情になった。彼女が彼を宥めると、真実を語る。
『お前の母は――お前を奴隷に売り飛ばした後に行方知らずになった。唯、バーリッシュの情報によればレムスの山で死体が発見されたと言われている。彼の遺品からこの指輪が見つかってな』
銀色の指輪…フレイドが指輪を受け取ると、ペルブランドは「すまなかったな」と言わんばかりの表情なった。
『母親の一件は残念だったが――すまない、これもお前の為だった』
真実を知ってしまったら、彼が傷付くから。だから、彼が丁度良い年頃になるまで真実を告げなかったのだ。

『――だが、何故だろうな。こんなに心地悪い話なのに、お前が真実を知る事になることが心地良いのは』


夢から覚めると、小鳥の囀り声が聞こえる。ローブを着て、レボルトの所に来てみると――また書置きを残して姿を消していた。
『夕方位に戻る。自由に行け』
自由気ままな男だ。とフレイドはそう思うと、聖域の森へと向かった。

パンを一口齧れば、水が流れる音が聞こえた。川が流れているのか。と思う――普段は怪物やモンスターが居て全く近づけない場所なのに、綺麗に川が流れている自然豊かな森になるなんて。

「よぉ」

そんな時に現れたのは――あの時の、二人組の山賊だった。

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