記憶の断片:境界線

「なぁ、お前って何で喋れないんだ?」
ソキウスの部下であるセルペンスはそう言い、木の上に立っていた。この人物はいけ好かない。と言えるだろう。すると彼は、木の上から降りて、長い舌を出した。
「えーっと、クルードがお前を拾って来てから訓練所に来て1年が経ったよな?お前って喋った事があった?」
セルペンスは実力のある暗殺者であり、グラディスの部下であるセミリアや――同期のバイズとドロッサスとかに嫌われている。嫌われている理由は人を見下す態度と除き癖であろう。前に一度8代勇士のシュトルツの娘に返り討ちにあったらしいが。
「まああのクルードが連れて来たのはロクでもない人物だと俺は分かっていた――うおおっ!?」
フレイドの氷の魔術を間一髪避けたセルペンスは、冷や汗をかいた。何この人怖い!と思っている所でフレイドが半分キレている事が分かった。冷静な人を怒らせてはいけない。するとセルペンスは再び木に登る。
「だーかーら!俺を殺す気か!?」
普通に人を小ばかにした態度を取ればそれは誰だって怒る。とフレイドは思った。すると使いの者が現れ、こう告げる。
「フレイド様、ペルブランド様がお呼びです」
わかった。と頷き、フレイドは空間能力を使って姿を消した。
あ!オイ!ちょっとまてや!とセルペンスのツッコミを無視しながら。

「来たか」
ペルブランドはそう言い、執務室でフレイドを見た。クルードがペルブランドの元に彼を預け、勉強や魔術について学んでいる日々が続いていた。
「今日は…何を学びたいか?」
フレイドは聖母のような優しさを向け、セルペンスやグラディスには滅多に見せない笑顔をしている。相当彼女の事を気に入っているのか、ペルブランドは彼に「おいで」とこっちへ来るようにと模索する。フレイドが彼女の元に来ると、指に銀色のリングが嵌め込まれていた。
これは?と疑問になっている表情だったが、ペルブランドは語る。

「……お前の母の遺品だ」

衝撃的な一言を、告げられた気がした。

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