夜の歌

「…!ベントーザ殿!」
騎士団本部にて。グラディスは同じ同僚であるベントーザに話しかけた。
「何だ、グラディスかよ」
ベントーザは髪を掻き毟り、不機嫌な顔でグラディスに話しかける。するとグラディスは少し焦った顔で語りかける。
「フレイド殿が、重要な任務を負かされたって本当か?」
「ああ本当だよ。先日バーリッシュ様が「あいつはレボルトと接触しに聖域の森へと向かって行った」ってさ」
ベントーザはそう呟き、椅子に座った。
(…ったく、レボルト様にフレイドを使ってソキウス様も何をお考えになっているのやら…)
ベントーザは不機嫌な顔で、フレイドとかつてお手合わせをした事を思い出す。

「戦闘は何を使ってもよろしい。降参と言った方が負けだ」
ソキウスはそう言い、審判役を務めた。ベントーザは胡坐を欠くような形でフレイドと手合わせをするが、相手はヒョロヒョロした魔術師。力とパワー、その差は格段に違っていた。
「では…始め!」

ベントーザが槍を使い、フレイドに直接狙うように攻撃をするが――彼はジャンプをして槍の一撃を回避した。一撃で大ダメージを受ける攻撃をとっさに回避するなんてこの魔術師は只者ではない。彼は咄嗟から出したナイフでベントーザを切り付けるが、ベントーザも負けていられるかと言わんばかりに槍でガードをする。彼と一度手合わせをした魔術師とは違い、フレイドは格段と力が少しある。だが、其れで何になる?と思う。すると彼は姿を消し――魔法を展開した。
(そうか、こいつは契約をして空間能力を手に入れて――!)
漆黒の針状のエネルギーが彼を襲う。彼は身体能力を駆使して避けるが、一本の針が彼の顔を掠った。
(やばいか…!?)
防戦一方であるが、彼は槍でフレイドの脇腹を突き刺そうとする――が、彼は空間能力で槍を場外へと転送した。
「しまっ…」
フレイドが彼の首にナイフを突き立てたのは、一瞬の事だった。

「…降参だ」
ベントーザはそう言い、へたり込んでいた。勝負があったようだなとソキウスはそう言い、誰か彼を治療してくれないかと医療班を呼び込んだ。
「………」
彼は不器用な顔で、魔術師の範囲を超えている。ベントーザはそう思った。

「…なあ、グラディス」
「…何で御座るか?」

「…あいつ、俺達と一緒に居る方が楽しいと思う」

彼はそう言い、フレイドと一緒に居る方が楽しいと思うと口にした。彼は死を望んでいるが、彼は自分達にとっては掛け替えの無い友と思っている。だけど――何故、彼は死を望んでいるのだろう。過去を悔やんでいても、何も変わりはしない。辛いなら、辛いといった方が良いと思う。

「―――そうだな、拙者は…」

フレイドは、今何をしているのだろう。

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