『異次元スター・エスパー・ロビン、毎週月曜夕方7時30分放映中!』
十代やオブライエンが居る部屋に辿り着くと、オブライエンは置手紙を残して『少し飲み物を買って来る』と外出していた。テレビはつけっ放しで、十代はソファーでぐっすり寝ていた。
「…くかー…もうエビフライ食べられません…」
「十代…」
布団を十代にかけ、居眠りをしている彼を見て…自分が十代を如何思っているのか分からない。
「……んっ…」
唇に触れるようなキスをし、ジムは顔を真っ赤にした。

(――そう言えば、初めてキスをしたな)

幼い頃に姉を亡くした後に、右目が駄目になった話。
子供から義眼を馬鹿にされ、泣き出した。慰めてくれたのはいつもパートナーのカレンだった。一人ぼっちと自覚していないのに、姉を亡くしたから一人ぼっちの自分。
辛い時も悲しい時も一緒だった。
17歳になった直後に、璃緒と出会った。
――そして、自分は今18歳。高校を辞めて自分が何をしようかなんて…分かっていないのだ。


「…十代」
これは自分一人の問題じゃない。十代やオブライエン…其れに璃緒皆の問題なのだ。
やっと分かった気がした…彼女は一人じゃない。十代達が居る。
姉も、璃緒にも別れを告げなくてはいけないと覚悟していた。

「…分かっているんだ、分かっているんだ」
十代にそう告げ…カレンを抱きしめた。
カレンは「グァ」と、鳴いた。

title:歎く徒花
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