「…行ってしまったわね」
「ああ、行ってしまいましたね」

幸子はアモンと共に、精霊宮『ニライカナイ』でその時を待っていた。

「僕が霧の王で貴方を止めなければ――運命は変わっていたのかもしれません」
「何を言っているの。『ケイ』が私に『トトを止めて』と言わなければ…運命は変わっていたのよ」

其れは、まだ二人が幼い頃の話だった。
ガラム財閥に引き取られたアモンは、思い人エコーと一緒に学校に通っていた。その時出会ったのは、海野幸子だった。
まだ彼女が『ヴィヴィアン』になる前。お嬢様として振舞っていた彼女は――アモンがボクシングで相手を吹っ飛ばしていた所を見た。
彼女とアモンの出会いは、其れからだった。

「――メラグが、巫女として姿を消し…赤い満月が空を覆う」
「何を言っているの。貴方は」と幸子は言うと、アモンは意味深な事を言う。

「――この思い出は消える事は無い。赤い満月までは」


『璃緒へ
俺は今、十代と一緒にお前を助ける術を探している。
だから、心配しないでくれ。俺は大丈夫だ――だから、精一杯生きて、その時は笑って、冗談を飛ばしたり、色々な会話をしよう。
君が傷ついた顔なんて、見たくは無いから
――ジムより』
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