「――それは、まさか…」
「そう、君達が犯した最大の失態。神々の失態と言われているあの『大罪』。僕は忘れてなんかいないよ」
何故素良が彼等の弱みを握ったのだろうか。どうして彼がそんな事を知っているのだろうか…十代も、オブライエンも素良の素顔が少し明かされただけで衝撃を受けた。彼は一体何者…?オブライエンも「知らない」筈の彼の素顔が、少しだけ明らかになった瞬間だった。
「フン、このジャック・アトラスが弱みを握られただけでうろたえる筈が無い!」
「…まさか、この少年がこの事実を知っていたとは…予想外だったな」
ジャックも亮も、素良の語りに耳を傾け、驚いたものの…ジャックはうろたえる事無く椅子に佇んでおり、亮も何も言わなかった。
「――さて、ジム」
「……?」
ハラルドは何時もの胡散臭い笑顔でこう語った。
「少し、遊びに付き合ってもらいたい」

VRルーム。そこは仮想空間を形成する部屋であり、電脳精霊を召喚出来ると言うデュエルアバター専用ルームとも言える空間であった。
「――十代に真実を告げたのは、ドラガンだ」
「ドラガン…?誰だ?」
「『トール』であり、別任務中であるが…優秀な大幹部だ。私の右腕にもなっている」
「十代は何処に行っていたんだ…?」
するとハラルドは女性の姿に変え…彼女に近付く。

「――君の知らない所だ」

仮想空間が宝石が彼方此方突き刺さっている洞窟に変化し――次は神殿に変化した。
「君は知らない方が良い。真実に近付きすぎた者は、運命に囚われる事になる。ジム・クロコダイル・クック――真実が人を物語の終焉に導く筈が決して無いのだから」
ヒラリヒラリと雪が舞い散る。雪原に変化したのだ。
「だが…虚栄の魔女は真実に近付きすぎたのだ。だから運命に…殺されたのだよ。君の姉は運命に殺されたものだ。そう、これは破滅の運命だ…」
「…っ、そんな運命の為に俺の姉は…死んだのか!?そんな運命…嫌だ!だったら俺は…友の為に自分を犠牲にしても厭わない!」
ジムの頑固な決意に、ハラルドはやれやれ。と言わんばかりの顔でこう呟いた。

「………君は、本当に友の為なら自分を自己犠牲にする性格だな…。じゃあ君は、行き過ぎた友の為に友人を悲しむことになってもか?」

「………!」
ジムはそれは。と反論出来なかった。アリトに言われたあの発言が思い出される。
『でも…こんな事をしても誰も得しねぇよ』
「君は、十代と一緒に…何がしたい?」

「……それは…」
ジムは、決心を口にした。それは――。
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