サイボーグがリムジンに目掛けてマシンガンで銃撃を行い、ハラルドは「ちょっと手荒になるがしっかり掴まれ!」と言い、アクセル全開で銃撃を回避した。
「…ハラルド、あれは!?」
「ああ、『聖歌の喜歌劇』の御出座しだよ」
几帳面なイメージとは違い、手荒な行動をするテロリストじゃねえか!と十代は呟く。ヘリコプターから降りた男が、直接…十代に通信を行った。

『君が遊城十代か…いや、世界を破滅させる覇王と言えるべき存在か』

「…お前は何者だ!」
『私はシェイクスピアの黒咲…とでも名乗っておこう。此処から先は行かせはしない』
「待て!お前は一体何をするつもりだ!」
黒咲と名乗った男は、手を上げると…サイボーグを次々と呼び出した。このままではきりが無い!と十代は思った時に、素良はこう呟く。
「十代、此処は電脳精霊で強行突破するしかない!」
「あ、ああ…」
十代は車の窓を開き、E・HEROネオスを召喚してサイボーグを蹴散らした。ヘリコプターから銃撃を行うサイボーグを如何にかしなければならない。
「ヴォルカニック・ロケット!」
オブライエンの電脳精霊でサイボーグとヘリコプター諸共破壊した。ジムは「お前…これは明らかにテロ行為だぞ」と突っ込むも、オブライエンは「その前に俺達は死ぬので仕方なかったのでな」と突っ込み返した。
「…どうやら、道路の先にもぞろぞろ居る」
素良は電脳精霊を召喚し、ジムも電脳精霊を呼ぶ。
「行っけー!デストーイ・シザー・ウルフ!」
巨大な狼の化け物がサイボーグを襲う。その先に在るのは――電磁バリケード!?車が突っ込む前にジムがすかさず電脳精霊を召喚した。
「あの電磁バリケードを破壊しろ…スカルナイト!」
化石の騎士が電磁バリケードを破壊し、何とか追っ手や障害物を破壊したものの…十代は溜息をついた。
「これ…サイボーグを襲ったから指名手配ものだぞ」
「大丈夫だ、私がその罪状を消し取ってやろう」
「ハラルドに任せると不安なんだけど」
リムジンから追っ手がいないか見渡すも――追っ手はいなくなっていた。ハラルドは安堵するような表情の十代にこう告げる。

「…君が、彼等と一緒に戦うのなら。私は其れを望む」

「つまり、どう言う事なんだ?」
「あ…ハラルドは、昔の記憶を失っているんだ。オーディンと精神と融合をしてね…普通の人間じゃなくなったって」
「ジムがそこまで知っているなんて凄いな。知り合いか?」
「まぁそう言うものみたいなんだけど」
リムジンはあるビルの駐車場に停まり、ハラルドは「着いたぞ」と彼等に言う。その先に在ったのは――看板に『ヨツンヘイム・コーポレーション』と書いてあった。

「ようこそ、我が組織…『ヴァルハラ』へ」

ハラルドが告げる先に、あるものは――まだ分からない。
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