――インペリアル・コーポレーション・『開発室』

「これは?」
真澄がジムにある質問をした。彼女が手に持っている携帯型デバイス『ラジエル』。彼女の父がプレゼントしてくれたもので、携帯であるが…高性能な携帯である。
「昔はManyをこれで探知して採掘していたのさ」
「Many…?化石の事?」
「Yes」とジムは言うと、真澄は溜息をつく。
「何で溜息をつくんだ?」
「あのねぇ…18歳が携帯を持つならまだしも、高性能の携帯って危険の可能性が含むのよ」
「?」とジムは困惑する。
「昔はこんな高性能な携帯は無かったのよ…『フィンブルツィールの災厄』前は。ゲームをしていた子供も居るし、公園で遊んでいた子も居た。だけど、電脳世界が発足した後に子供達は『ラジエル』を持つようになった」
「………」
真澄は携帯型デバイス『ラジエル』を見る。
「ラジエルでゲームもダウンロード出来る様になった。けど、彼等は大切な物を忘れていった」
「…ごめん、JuweryGirl」
「そのジュエリーガールって名前もやめて。不愉快よ」
「ああ、真澄」
すると彼女は、戸棚からゲームを取り出した。
「このゲーム、プレゼント」
「え、プレゼントって」
彼女曰く「アポリアって人が、開発をしていたの」と問い…ゲームをプレゼントする。少し、真澄との仲が良くなった…かもしれない。
「『ラジエル』の発足で、ゲームをしない子も多く居る。けど、ゲームをして…初心に戻るのも良いかもしれないわ」

「オースチン・オブライエンとはどんな存在だった?」
北斗はそう語り、ジムに質問した。
「えーっと…、俺の学校ではデュエルアバターの部門では、優秀だった。俺とアモンと言うクラスメイトと一緒に青春なんて事をしていたさ」
「ったく…あいつ、いつもそうなんだよ」
えっ。とジムは予想外な事を口にされる。北斗は言う。

「…あいつ、武器の開発専門なんだよな。銃器ドライバを開発したり、武器を開発したりしていてさ…何と言うか、元々傭兵だったんだから、開発が出来るらしいんだ」

「……成程な、あいつらしい」
「あいつらしいって何なんだよ!」と北斗が問い詰めると、急にドアが開く音がした。

「――失礼する、この書類についてなんだが…」

「………」
銀色の髪の毛に、金色の瞳――かつて過去と一度だけ対面したハラルドだった。
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