部屋に入ると、其処はステンドグラスが輝いていた。ステンドグラスに刻まれているのは金色の髪をした聖女が、精霊達を導いている図面だった。其の図面の下に跪いて頭を打たれているのは青い髪の少年。聖堂と思わしき部屋であり、質素なベッドと…コンピューターが置かれているだけだった。傍に置かれているのはテディベアや玩具の包丁。青い髪の少年は立ち上がると、ジムを見た。
「お、お前がジム・クロコダイル・クックか!?俺はヨハン・アンデルセン。『シュレティンガー』と言われている『天才』さ!」
部屋に入ると、デジャ・ビュが感じられる。何だろう…掘り起こしてはならない記憶が呼び覚まされようとしている。どうして、何故…。
『×××姉ー!痛いってばー!』
するとドアが開く音がする。目の前に居たのは赤い瞳をした褐色の美少女だった。彼女は自信有りげな態度のようだ。
「私は光津真澄。『カルネアデス』と言われているわ」
カルネアデス…すると真澄は、ジムを見る。
「貴方、目がくすんでいるわ」
「お、おい真澄!ごめんな、こいつ無愛想でなぁ…」
思い出してはならない記憶、でも、思い出さなければいけない記憶が…。
『お姉ちゃんってばー!ぬいぐるみ返してよー!』
『駄目に決まっているだろう!バーカバーカ!』
「うっ…」
「お、おい!大丈夫か!?」
「あ、ああ…大丈夫だ」
ジムは額に手を当て、頭痛を抑える。思い出してはいけない記憶が、呼び覚まされる気がする。だけど、呼び起こしてはいけない記憶が…。
「…貴方達?」
「恵」
銀髪の少女が現れ、隣には無愛想な男が二人。そして、幼い少女が居る。
「真澄さん…」
「龍可?」
記憶が思い出しそうなのだが――胃が逆流しそうな思いがしそうだ。すると、ドアが開く音がする。

「お前達、何をしている」

金色の髪に、白と黒の服――パラドックスだった。ジムは意識がスパークし――悲鳴を上げて倒れた。
「…!ジム!?」
「誰か、救急班を呼んで来い!医者だ!医者を呼べー!」

最後に意識を失う時に、恵と呼ばれた少女がこちらを見ている姿だった。彼女は、思い出したくない記憶が――逆流しそうになって思い出して来る。
「誰か…助けて」
そう、悲しげに呟いた。
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