(十代)
どうして、あんなに悲しそうな顔をしたんだ。其れなら今まで全部…俺に話してくれたら良かったのに。其れに、前世って一体…ユベルとお前に、何があったんだ…?
ジムは心の中で複雑な思いが渦巻いていた。十代に対する複雑な心境。皆を傷つけたくないから、心の中でそっと隠していた思い。其れでも、何も解決出来ない事に変わりは無いのに。其れでも、お前を信じていると変わりは無い。
アンチノミーはジプシーの運転手となり、ジムは後ろに乗った。これから何処へ行こうとするのだろう。6人の次世代の天才って…?と複雑な思いになっていた。
するとアンチノミーは語る。
「お嬢さん」
「…何」
「僕は双子の弟が居る。名前はブルーノと言ってね…メカニックとしての腕は高いんだ。ブルーノの事を宜しく頼む」
「あ、ああ…」
気まずい雰囲気だった。するとジプシーが辿り着いたのはある一本のビルだった。
「此処は…?」
「インペリアル・コーポレーション。天才達が集うビルの本社さ」
アンチノミーは車から降り、ジムを連れて本社へ入った。受付嬢が「ご用件は何でしょうか」と言うと、アンチノミーは「6人の天才への面会を頼む」と口を紡ぐ。「分かりました」と受付嬢はそう言い、アンチノミーにカードキーを渡す。
「そろそろ行こうか」とアンチノミーはそう呟き、エレベーターに乗った。エレベーターが最上階へつくと、最上階に子供達が遊んでいた。
「此処は…?」
「身寄りの無い子供達の為に、孤児院を作った。ある人物からの頼みでね」
「頼み?」とジムはそう言うと、アンチノミーは紡ぐ。
「此処は楽園そのものだ。天才が紡ぐ、楽園そのもの」

アンチノミーの口から放たれたのは――楽園と言う事だけだった。

最上階に、伝説の英雄不動遊星を模した…人物が居た。
「…貴方は?」
「おや、貴方でしたか」
「其れに、此処って…?」
「此処は私みたいに、災禍や天災に巻き込まれ、親を亡くした身寄りの無い子供たちの楽園…つまり、星の楽園」
すると人物は口にする。
「私の名前はZ-ONE。6人の次世代天才の実質的なリーダーです」
「実質的な…」
「彼等はいい子ですよ。最上階に建てられている建物の中に入りなさい」

建物の中に、ジムは入って行った。
取り残されたアンチノミーとZ-ONEは語る。

「いいのですか、あんないたいけな少女に彼を託して」
「いいのですよ。此処が…最後の楽園ですから」
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