十代がメディカルセンターに行った時に黒衣の男が現れた。
「お前は…」
紫色と黒の髪をした男だった。すると男は語りかける。
「本当は――無関係だけど、無関係じゃいられなくなった。彼女を助けた」
黒衣の男はそう言い、光の粒と共に消える。
「忘れるな、過去を――」

「…十代、大丈夫?」
「ああ、大丈夫なんだ。でも…誰にやられたんだ?」
ベッドに寝かされ、彼女の姿にノイズが走っていた。電脳世界でダメージを受けると、現実世界にも反映する――でも、此処までダメージを受けるなんてまるで拷問…。
「師匠はこんな姿を見たら絶対怒る!激おこぷんぷん丸だよ!」
「良い奴だな、素良」
でも、ボロボロになってまで一人で頑張っていた彼女を見ると――6年前の過去の自分を思い出す。こんな事には絶対にさせない。
「…大丈夫なんだろうな」

「…逃げられたか」
ラフェールはそう言い、突如現れた黒衣の男の妨害を受け――溜め息をついた。シェリーも「あの男は一体…」と不思議そうに呟いている。
「でも、彼女の情報を無理矢理引き出した結果――精霊王が居る場所を発見したわ」
ジムに電撃を浴びせた行為は、情報を引き出す行為だった。しかし電脳体に直接クラックする行為は禁じられている。円卓の騎士達である自分達なら『出来る』行為だ。
「貴方は確かに強い、でも…あの黒衣の男を調べるほうが良さそうね」
「待て…先に私が行こう」
するとシェリーは「待ちなさい」と言う。
「『トリスタン』と『ランスロット』の連絡が途絶えたわ…何かあったのかしら」
「『トト』と交戦したらしいが…まさか…いや、何でも無い」
ラフェールはスナイパーライフルとナイフ、ハンドガンをコードから出した。ハンドガンとナイフをシェリーに渡す。
「シェリー、念の為にこれを渡す。私は先にアガルタに潜入して『パーシヴァル』、『ケイ』と合流をする」
「大丈夫?」とシェリーが言うと、彼は「大丈夫だ」と言う。
「分かったわ…気をつけて」

素良は十代の様子を見て、つまんないの。と言った。
「ねぇ十代、どうしてジムの事が大事なの?」
「え?」と惚ける十代。すると素良は質問をした。
「過去に――何かあったの?」

「………何も、無いんだ、忘れてくれ」

素良は「つまんないの」と再び言った。

title:模倣坂心中
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