アンナと遊馬はそれぞれ席に着き、頭に拳骨一発食らわされた。
「…と言う事だ、私が二人の両親に連絡をして…立ち入り禁止命令を出させてもらう」
「何で俺が!?俺は被害者なのに!」
「俺はただ恨みを晴らしたいだけなんだ!」
「これは運営委員会と警備員の仕事だ、私に指図するな」
女性はそう言い、ホットコーヒーを飲んでいた。女性…ドロワは二人の情報データを手に、何かを調べていた。
「やはりゴーシュが騒ぎに駆けつけた時には円卓の騎士達が居たとはな…其処は驚いたな」
ドロワ曰く、「ノリでやっている仕事」らしい。よくこんな警備員が円卓の騎士に拳骨を喰らわす事が出来る。
「後で運営側に報告させてもらう」
ドロワはそう言い、ドアを閉めて行った。

「……………」
「…………」
沈黙が気まずい。何が何やらである。すると先に口を開いたのは遊馬だった。
「俺は何もしていないぞ!復讐なんてやっても良い思いしない!な!」
「ずっと約束の場所に来なかった!だからその恨みを晴らして…」
遊馬は「訳を話してくれないか?」と話す。

アンナ曰く、ずっと好きだったのにラブレターを出して、約束の場所に来てと言っても来なかった。

「…と言う事だ」
「其れだけ!?」
あまりにも短い。其れで良いのか。すると外が騒がしかった。
「…誰だ…って格闘技!?」
「ぐああっ!イケメンすぎる…」
するとドアにバン!と現れたのは黒スーツを着た青年だった。
「ガウェイン、無事なのかい!?」
「ラモラック…ラモラックなのか!?」
何が何やら。と遊馬は思った。すると青年は彼を見て自己紹介する。
「自己紹介が遅れたね、僕は天上院吹雪…自称『円卓の騎士のプリンス』であって『ラモラック』…僕はプリンスなn「んな訳あるか!」グフォッ!」
ゴーシュが吹雪と言う青年にパンチでダイレクトアタックした。吹雪は直に立ち直り、彼に話しかける。
「酷いじゃないか!僕はプリンスであって円卓の騎士なんだ!ああきっと僕を浚いに来た悪い人…」
「「いや、其れは無い」」
「ガーン!」と吹雪はショックを受ける。するとゴーシュは溜め息をつく。
「何なんだこいつ…ノリってレベルじゃないぜ」
「そいつは天上院吹雪…『ラモラック』で、残念なイケメン」とアンナ。
すると吹雪は遊馬をお姫様抱っこし、アンナに語る。
「と言うわけで僕はジムの行方を吐き出す為にヒロインを浚うね、じゃあ先に行ってるよー!」
「お、おい!ちょっと待てぇぇぇぇぇ!」
吹雪が遊馬を浚った後、ゴーシュとアンナは取り残された。

「…追うか?」
「何だか追わなきゃならないノリだ」
意気投合した二人は、吹雪の後を追った。

title:空想アリア
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