電脳世界『ヴァルハラ』エリア。

ジムは白い椅子に座っていた。彼女の向かい先にはハラルドと言う男性。執事らしき人物が紅茶を淹れている。
「ハーブティーです」
「あ…」
ハーブティーを飲む事なんて出来ないと思っていると、ハラルドは質問をした。
「君の右目、義眼なのか?」
「……っ!」
何故ばれたのだろう。するとハラルドは苦笑し――自分に語りかけた。

彼はフィンブルツィールの災厄でドン・サウザンドと戦った電脳精霊の『オーディーン』だった。ドン・サウザンドと戦った後、とある家の子供の精神と融合を果たした。結果彼は記憶を失ったが――ルーンの瞳と言う力を手に入れた。

「君はメラグを助けたいのだろう?彼女は日本のミッドガルドに居る」
「ミッドガルド…」
ハラルドは会話をして、弾んでいたがジムは空気に馴染む事は無かった。
「例え私が君の全てを知っていようとも――君がドン・サウザンドを復活させるきっかけを作らない限り敵と認識する事は無い。だけど、君は一人ぼっちだ」
「この話は終わろう、帰っても良い」とハラルドは言った。ジムは逃げ出したい気持ちだった。

空港に行き、日本行きを問いただしてみるともう直行けるらしい。
彼女は飛行機の中で不安になっていた。

「本当に、彼女を救って良いのか?」

不安げになりつつも、彼女は日本についた。

ハラルドはジムが立ち去った後に、本を開いた。
「セバスチャン」
「何でしょう」
するとハラルドは予想外の事を口にして、口元を歪ませた。

「彼女は何れ、死に向かう運命だ――だから、日本に彼等を配置するんだ」

「かしこまりました」と言い、立ち去った。

この後、ジムはある事をきっかけにして『オズ・マジック・ウィンド』に入るきっかけになるのだが、彼女がその最中に十代と出会う事は――予想しなかったであろう。

title:空想アリア
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