生命維持装置と言う…病院の重い患者に必要不可欠な装置があった。けれども、璃緒は酸素マスクを被り、眼に包帯を巻いていた。
声が震えていた。あの数日間自分と話しかけていたらこんな結果になるのか。と――兄らしき人物がこっちを向いていた。
「お前、璃緒の友達か?」
そうだ。とは言えなかった。自分よりも年下な少年は、こちらを睨みながらも自分の襟を掴んだ。
「お前のせいだ…!お前のせいで、妹は!」
違うんだ、知らなかったんだ。許してくれ。とも言えなかった。兄は暴言を吐きながらも必死で「妹を返せ!」と叫んでいた。

落ち着いた頃、少年はごめんなさいと呟いていた。まさか年上だったなんて知らなかった。けれど、妹は人と会えないんだ――俺以外に。と呟いていた。
「俺はシャーク…でも、これだけは言える。妹を…助けてくれ。これはアンタが招いた原因なんだ。俺は…如何する事も出来ない」
シャークと言われた少年は、何かを握っていた。シャークは自分に渡した――USBメモリーだった。
「妹が此処まで追い詰められている原因はアンタなんだ…でも、俺は如何する事も出来ない。『使命』を全うするまで、妹を何とかする事なんて出来ない」
彼はそう言い、病室に出た。

「此処までこうなったのなら…もう、どうしようもない」

手術費が必要。けれど膨大なお金であり、手術をしても其れは中毒症状を抑えるだけにしか過ぎない。
彼女は分かっていた、電脳コード『オリュンポス』さえあれば…彼女を救える。電脳世界の有名な犯罪者になっても、自分はMyFriendを助けたい。と心の内に芽生えていた。だけど、罪滅ぼしでもあった。

自分のせいなんだ。
彼女を追い込めたのは――自分のせいだ。

ジムは、その翌日――学校を辞めた。
両親の反対を押し切り、身支度をして家を出て行った。彼女は泣き叫ぶ事も出来なかった。どうしても彼女を助けたい。と言う気持ちが現れていた。
(でも、これだけは言える)
(俺は、フレンドを助けて…犯罪者になろうとする覚悟が現れようとしている)

空港前、日本に行こうとした瞬間――誰かに話しかけられた感覚がした。
後ろに居たのは、あの病院で出会った――銀髪の男だった。

「何処に行こうとするのかな?」

電脳コードを盗む旅をする。とは言えなかった。けど、男は「何か悩み事か?」と言っている。

「君がジェームス・クロコダイル・クックかな?私はハラルド…君に話したい事がいっぱい有る…電脳世界について来てくれるか?」

title:空想アリア
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